入院保証金を払えない人が注意すべきリスクと適切な対処法
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ファイナンシャルプランナー
関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)、登録販売者など多岐にわたる資格を保有。数々の保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産業務を行う。
- ✓入院時の保証金が払えない…
- ✓払えないと入院できないのか…?
- ✓お金がない時、みんなどうしてるの?
突然の大病、手術が必要なほどの大怪我。何らかのトラブルがあったとき、入院を余儀なくされると金銭的負担に直面することになるでしょう。
特に、入院手続きの段階になって入院保証金の存在を初めて聞かされて、焦ってしまう方もいます。
入院保証金とはどういったものか?
病院に入院する際に、入院保証金を納めてくださいと言われることがあります。
とりあえず言われるがまま、お金を支払っている人もいれば、そんなお金は払えないと頭を抱えてしまう人もいるかもしれません。
そもそも、入院保証金とはどういったものなのでしょうか?
入院する前に払う必要がある保証金
入院保証金とは、入院前に病院側に収める必要がある保証金を指します。
病院によっても、入院保証金が発生しないところもあれば、払ってくださいと請求される場合があるのです。
以下が入院保証金が発生する病院の一例です。
当院では入院時に、入院保証金(現金で10 万円)をお預かりいたします。入院時にお預かりした保証金は、退院時にご返金のうえ、入院費へ充当いたします。なお、手続きには「入院保証金預り書」が必要となりますので、退院時には必ずご持参くださいますようお願いいたします。また、患者様以外の方がご精算される場合は、手続きされる方の本人確認(免許証等の確認)をさせていただきます。
治療費や入院費用に充てられる
一般的に、入院保証金は退院時に請求される医療費と相殺されるようになっています。
実際に発生した医療費の自己負担額が入院保証金の範囲内で合った場合、残金は退院時に手渡されるのです。
例えば、千葉県にある柏厚生総合病院の場合、公式サイトで入院保証金について下記の通り記載しています。
保証金は退院の際、入院費用と精算の上、残金をお返しいたします。保証金預かり証は、大切に保管してご退院の際に入退院受付にご提出下さい。
入院時にまとまったお金が必要になる
入院保証金というのは、入院によって発生する費用を先に払っているものと言えます。
つまり、入院した際に発生する最終的な費用そのものは変わらず、入院保証金を請求された場合は「退院時ではなく入院時にまとまったお金が必要になる」ということです。
しかし、入院という事態は、誰にとっても予測できるものではありませんよね。
突然の入院となれば、保証金を請求されても簡単に用意できないこともあると思います。
入院保証金の相場額
では次に、入院保証金として納める金額はどのくらいかを考えていきましょう。一般的に入院保証金としてかかる費用としては以下の通りになっています。
入院保証金の平均相場 | |
一般部屋・療養部屋 | 100,000円 |
個室・2人部屋 | 100,000円 |
短期の検査入院 | 50,000円 |
自費診療 | 200,000円 |
上記が一般的な金額です。
相場を見てみる限り、一度に納める金額としては、負担が大きいように感じられます。家計状況によっては、保証金が払えない状況も十分に考えられるでしょう。
病院によっても保証金の金額が異なる
入院保証金というものは、必ずしも請求されるわけではありません。
また、上記で金額の相場を紹介しましたが、具体的な金額についても病院によって異なります。
入院保証金が払えない場合はどうすれば良いのか?
もし、入院保証金がある病院で、入院することになったときに「払えない…」となったらどうすれば良いのでしょうか?
収入が少ない場合や、家庭状況によっては、急に入院保証金が用意できない可能性は十分にあります。
入院の診断を受けたということは、入院するほど、今患っている病気が多いということです。そんなとき、お金が必要となってしまうと病気は悪化の一途である可能性十分にあると言えるでしょう。
では払えない場合はどうなってしまうのでしょうか?
相談をすれば入院保証金を待ってくれる場合もある
入院保証金については、導入している病院でも払えない旨をきちんと伝えれば、一定期間待ってくれる可能性があります。
もちろん、どの程度待ってくれるかは、病院によって異なるので、具体的には不明瞭な点はあります。
しかし、入院保証金が払えない時の選択肢として、相談をしてみるというのは、重要と言えるでしょう。
Q.保証金が用意できない人はどうするべきか
ファイナンシャルプランナー|矢野翔一
病院への相談をお勧めします
病院で円滑な入院手続きを行い治療を受けるためには、一時金である保証金が準備できるにこしたことはありません。どうしても自身での準備ができない場合は家族・身内に相談するなど、できる限り保証金を準備できる方向で進めていただければと思います。その両方ができない場合は、病院に一度相談してみるのがいいと思います。現在の就業状況や収入等について病院側が確認を行い、保証金を納めることなく入院手続きを進めることができる場合があります。
どうしても払えないなら親や親戚に相談しよう
病院に相談しても問題が解決しなかった方は、親・親戚に相談してみてはいかがでしょうか?
入院保証金はある程度まとまった金額を請求されるので、必ずしも力になってもらえるとは限りませんが、快くお金を工面してもらえる可能性もあります。
もちろん、それは「お金を借りる」ということなので、基本的には後々返さなくてはなりません。
物を売ってお金を作るという選択肢も
必ずしも十分なお金を用意できるとは限りませんが、物を売るという選択肢もあります。状態の良いブランド品などがあれば、ある程度まとまったお金に換えられるかもしれません。
基本的に、質屋やリサイクルショップに持ちよれば当日中に換金してくれるので、入院が決まって時間が無いといった方でも実践しやすい手段と言えるでしょう。
ただし、物を売って手に入るお金は、基本的にあまり高額にはなりません。入院保証金の一部を用意することはできても、満額用意するというのは難しいと考えてください。
また、一度手放したものは取り戻すことが難しいので、大切なものを安易に手放さないよう注意しましょう。
Q.入院保証金の額は法律で制限されていないのか
ファイナンシャルプランナー|矢野翔一
特に制限されていません
入院保証金の額について法律に明文されているわけではありません。しかし、患者側への十分な情報提供、同意の確認や内容、金額、積算方法等の明示など、適正な手続きを確保できていれば、入院保証金を認めることが行政の通知によって明らかにされています。入院保証金の目的が、入院費用を回収できないリスク軽減のためであることを考えるのであれば、金額はそれに準じたものである必要があります。治療費が保証金の金額以内に収まった場合は返還してもらえるものですが、最初に設定されている保証金の金額が高額な場合は、一度病院に確認してみましょう。