低金利の大手消費者金融に借入申し込みした結果|低金利の条件と審査や限度額
貸金業務取扱主任者
2014年より中堅消費者金融に入社。一般消費者向けのローンを中心に専門家として幅広い知識を身に着け、2015年には貸金業務取扱主任者試験に合格。その後は経験を積みながら実績を残しつつ、不動産担保ローンの領域でも活躍。現役の貸金業務取扱主任者として、無理のない返済計画を意識した業務に取り組んでいる。
- ✓金利が安い消費者金融って結局どこ?
- ✓どこも低金利を謳っていて違いが分からない
- ✓審査次第で金利って安くなるの?
確かに、大手消費者金融はいずれも低金利と宣伝しています。インターネット等で「低金利」「金利が安い」と検索しても、『はっきり言ってどこが一番低金利かわからない』という方は多いでしょう。
今回は、実際に3社のカードローンに申込みをした方の審査結果に基づき、どの消費者金融が最も低金利で借りられたかを、紹介していきます。
カードローンを利用するなら「低金利」は外せない!
消費者金融のカードローンを利用するにあたって、借入後のことを考えると、絶対に「金利が安い」という条件は外すことができないはずです。
できる限り低金利の消費者金融を利用すれば、もちろん利息が安く済み、総返済額も抑えることができます。
同額のお金を借りたとしても「金利が安い」とそうでないのとでは、返済の負担が異なるのです。
大手消費者金融はどこも18.0%前後の金利だけど…
消費者金融はどこも18.0%前後の金利をイメージする方が大半のはず。
各金融機関の金利だけでみるとあまり違いがないようにも思えます。
ただ、カードローンの金利は「◯◯%~◯◯%」と幅があり、低金利になる可能性もあると考えられます。
審査次第では金利を安くすることはできるのでしょうか?
実際に大手消費者金融3社に申し込んでみた!
今回は、大手消費者金融3社に申し込みをしたKさんからお話を伺い、「金利が安いカードローン」という噂の真相を検証してみました。
これから紹介するKさんのプロフィールを紹介します。
性別:男性
年齢:24歳
職業:会社員(契約社員)
勤続期間:3ヶ月
年収:300万円
収入証明書:用意せず
借入経験:なし
申込期間:各月1社ずつ申し込み
Kさんの「収入の安定性」について
消費者金融は、申込者の返済能力を計る目的で審査をおこないます。返済能力とは、借入した金額をきちんと毎月返済できるのかという事です。
返済能力を計る上で重視されるのは「収入の安定性」です。
・継続した収入があるか
・年収
・勤続年数
・雇用形態
消費者金融の審査では、一つの会社に長く勤めている方や、正社員のほうが、好条件で借入できる可能性があります。
Kさんの場合、勤続期間が3ヶ月程度であり、そして雇用形態は契約社員なので、収入の安定性は若干疑問が残るところでしょう。
Kさんの「信用情報」について
信用情報とは、ローンやクレジットカードの遅延・延滞履歴を指します。
消費者金融の審査では、申込時に記載・記入した個人情報だけでなく、この信用情報も確認しているのです。
過去に遅延・延滞を繰り返しておこなってしまった場合は、返済能力に乏しいと判断され、低金利での借り入れができない可能性があります。
Kさんは過去にキャッシングした経験も無く、また携帯電話料金の滞納などもした覚えがないので、信用情報には傷が無いと思われます。
Kさんの申し込み方法と条件を紹介
Kさんの申し込み方法や、条件は以下の通りです。3社とも同じ条件で、申し込みをしました。
ネット申し込みで、10万円という借り入れ金額です。金利が安いとされる大手消費者金融に申し込んだ結果、どうなったのでしょうか?
◆方法 :ネット申し込み
◆借入希望額 :10万円
◆提出した書類:免許証
アコムの場合
Kさんが最初に申し込んだのは「アコム」です。アコムは金利だけで見るとかなり低金利のイメージがあります。
最低金利3.0%で審査が通れば、大幅に利息の負担は抑えられるはずです。
果たして、Kさんは最低金利の評価をもらえるのでしょうか?
審査時間=4時間
アコムに申込みをしてから30分。消費者金融の審査時間は最短30分と謳っています。しかし、Kさんは30分たっても一向に、アコムの審査結果が届かなかったようです。当然Kさんとしては不安にもなります。
その後、申込をした時間から換算すると、4時間後 。ようやく審査結果が通知されたそうです。結果は「合格」。
最短30分と宣伝している大手消費者金融でも、審査時間が長くなることはあるようですね。さてKさん審査は「低金利」の条件が提示されたのでしょうか?
提示された条件
アコムから提示された条件は以下の通りです。
☑金利(実質年利):18.0%
☑借入限度額:50万円
借入限度額は、希望額の5倍である50万円となりました。この点については好条件と言えます。
しかし、金利については、最大金利である18.0%が適用されました。アコムの金利は3.0%~18.0%と幅があるはずですが、最も悪条件が提示されてしまったのです。
この時点で、Kさんはアコムが金利が安いという噂は誤情報と思ったそうです。
SMBCモビットの場合
◆職業:会社員(正社員)
◆勤続期間:4ヶ月
さて、契約社員ではなく正社員になったKさんです。モビットもアコム同様、最低金利は3.0%となっています。
会社員であれば低金利で安く借りられる可能性は十分あるでしょう。
Kさんは低金利の条件が提示されたのでしょうか?
審査時間=3時間
SMBCモビットの審査結果としては3時間後に「通過」の連絡がありました。
審査時間は前回より短くなりましたが、重要なのは低金利で借りられるかどうかです。
Kさんは1ヶ月経ち、契約社員ではなく正社員になっています。
前回よりも確実に低金利の条件が整っているはずですが、SMBCモビットなら、Kさんは低金利で借りられるのでしょうか?
提示された条件
SMBCモビットから提示された条件は以下の通りです。
☑金利(実質年利):18.0%
☑借入限度額:50万円
何と、アコムと全く同じ金利・限度額が提示されたのです。KさんはSMBCモビットでも低金利でお金を借りることは叶いませんでした。結局、正社員になったことも低金利には関係なかったとも取れます
アコムもモビットも結局、3.0%という低金利では利用することができないということが、この結果が推測されるでしょう。
プロミスの場合
金利(実質年率):4.5% ~ 17.8%
借入限度額(最大):500万円
更に1ヶ月後、再び消費者金融の審査にKさんはチャレンジします。プロフィールの変更点は、勤続期間が5ヵ月なった点だけなので、今回は割愛します。
Kさんは、アコムとSMBCモビットの審査結果から考えると、結局、大手消費者金融で申し込みをした場合、最大金利が適用される可能性が高いと考えました。
そのため、Kさんが次に選んだのは「プロミス」です。プロミスの金利は4.5%~17.8%と、大手消費者金融の中では、最大金利が一番低金利です。
消費者金融の中であれば、プロミスが一番低金利に借りられるのは事実なのでしょうか?
審査時間=1時間
プロミスは3社の審査時間の中では、最も早い1時間後に「通過」の連絡がありました。
Kさんとしては、既にアコムとSMBCモビットの2社と契約した状態で、プロミスに申込みをしたので、審査時間が大幅にかかることも、覚悟していました。
また、消費者金融では、年収の3分の1までしか借りられないという法律を聞いたこともあり、さすがに限度額は50万円とはいかないだろうと考えていたようです。
しかし、Kさんはプロミスが一番低金利ということに確信を持っていました。
提示された条件
プロミスから提示された条件は以下の通りです。
☑金利(実質年利):17.8%
☑借入限度額:50万円
やはり、プロミスから提示された金利は、プロミスの最大金利である17.8%でした。
金利が安いと謳っている消費者金融ですが、見るべき基準は最低金利ではなく、最大金利ということが、この結果からわかります。
つまり、最低金利3.0%と謳ってるアコムやモビットは、申込時点では低金利にはならないと言えるでしょう。
利息を節約したいなら返済期間を短くする
結局のところ、金利は提示されている上限の金利になってしまうことがわかりました。しかし、利息を節約するには金利よりも返済期間のほうが重要です。
なぜなら、利息は借入金額が多くと期間が長くなるとその分増えるからです。これを回避するためには繰り上げ返済をすることが大事になってきます。
・決まった日に決まった額を返す約定返済
・余裕があれば、早めに返せる随時返済
返済方法に2種類あり、決まった日に払う方法は、決まった金額であり、少ない金額で返済するので、なかなか返済残額は減りません。
つまり、自ら余裕がある場合は、繰り上げで返済を行なうことこそ利息を抑えるコツなのです。
まとめ:金利が安いと感じるのは最低金利が影響している
今回は大手消費者金融3社に借入を申し込み、金利が安いのかどうかを検証してみました。
Kさんの話を伺った結果、事実として以下のようなことがわかりました。
✔初回契約時の金利(実質年利)は上限金利が適用される
✔与信があっても借入していなければ限度額は限りなく高くなる
✔収入証明書がないから50万円になった
今回Kさん低金利という点を重視し、大手消費者金融の中では最低金利が安い、アコムとモビットに申込み、いずれも最高金利である18.0%が条件として提示されました。
つまり、初回借入時は最高金利が適用され、「最低金利が低い=低金利」というイメージを持っていると、後悔することになります。
しかし、金利よりも「返済期間」を短くすることを意識することで、利息を節約することが可能です。カードローンでキャッシングする際は、どのくらいで返済できるのかを見積もって、計画的に利用しましょう。
大手カードローンの金利について解説
この記事を読んでくださった方は、金利について気になっていると思います。ほかのカードローンをチェックしてみたいという方は以下の記事をご参考ください。
アコムやプロミスなど、大手カードローンの金利について詳しく解説しています。
Q.収入の安定性をはかる上で重要な項目は?
貸金業務取扱主任者|本田光一
勤続年数、勤務先の安定性
収入の安定性をはかるには、まず勤続年数が挙げられます。長い期間勤めているほど、退職し収入がなくなり、返済できなくなるというリスクが減るため、重要視します。勤務先の安定性も重要視されます。公務員や会社員などは給料が大体決まった日にちに支給されると思いますが、個人事業主などの場合には取引先からの入金遅れなどのリスクが少なからずあるため、収入の安定性という意味では劣るという事になります。