FXや信用取引で発生した追証が払えない場合の対処法
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✓FX・信用取引の追証が払えない…!
皆さんがご存知の信用取引と言えば、FXや株などがあります。例えば株式の信用取引なら、だいたい証拠金の3倍の投資ができるのが特徴です。例えば3倍の場合、100万円の資金があるなら、300 万円までの取引ができます。
これが、FXなら証拠金の25倍の取引ができます 。目いっぱいの取引をするなら、元手100万円なら2,500万円の取引が可能です。プラスになれば良いのですが、自分が張った方向と反対に動けばかなりの大損になってしまいます。
現に、2015年1月15日に起きたスイスフランショックのような事案で、多くの追証が発生したケースがありました。
証拠金が定められた比率を下回ってしまった際に、発生するのが「追加証拠金(追証)」です。これが払えないとどうなるのでしょうか。
「追加証拠金(追証)」とは
「追加証拠金(追証)」とは、追加で担保の差入れが必要となる状況です。略語で「追証(おいしょう)」といいます。
追証が発生した際は、所定の金額を支払わなければいけません。発生するシチュエーションとして、まず信用取引や先物取引、FX、信用取引といった証拠金取引において定められている、「最低維持証拠金」を下回る場合が挙げられます。
この最低維持証拠金が、建て玉の含み損が発生することで、追証を支払う義務が生じるようになっているのです。
維持率が所定の数値になるように、追加金を支払う必要があります。
Q.FXの追証とはどのようなものなのか
ファイナンシャルプランナー|隅倉広樹
元手の軍資金追加
追証というのは、FXの取引をする際の元手となる資金が不足した時に求められる資金です。25倍までレバレッジをかけて取引できるFXは、他の投資・投機商品に比べるとリスクや値動きが大きいので、これが発生する可能性も高いです。支払えなければ催告の連絡が入るようになりますし、強制的に決済・解約されることにもなりかねません。
FXには最低の証拠金維持率(取引額に対する入金額)が決まっており、それを下回った場合は、追証の入金が必要になり、不可能な場合は強制決済が行われます。
例えば、追証が発生した場合の取れる選択肢は2つです。
●証券会社へ10万円を預け、取引している ●取引上、5万円の証拠金を入れておく必要がある 上記の状態で取引分が-7万円になってしまった場合は、以下のどちらかになります。 【1】足りない2万円を入金(追証)して取引続行 ※こちらは分かりやすく数値を記載しております。実際の証拠金維持率とは異なります。また証券会社によっても設定が異なるため、よくご確認ください。
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選択肢は、決済をして手仕舞うか、追証の入金をするかです。証拠金不足になると証券会社から通知が届き、指定された期限までに入金が無いと強制決済に至ります。
各FX会社は、ある程度証拠金維持率が下がった時点でアラートを出すはずです。そのため、追証が発生する前に損失が膨らんでいることに気がつくでしょう。
極端に大きな相場の動きで追証が払えなくなることも
追証のシステムは、トレーダーの安全を守るように配慮されています。取引分のマイナスが、ある一定のラインまで下回ると追証または強制決済になる仕組みです。これによって、トレーダーは証拠金以上のマイナスになることは少なくなります。
しかし、このシステムが100%守ってくれるとは限りません。政治的リスクや経済危機によってチャートが大きく変動した場合は、このロスカットシステムが間に合わないことがあるのです。
●証券会社へ10万円の証拠金を預け、取引している ●取引分が急に-20万円になり、その時点でロスカットされた 上記の場合は、足りない10万円を証券会社に納めなくてはなりません。 ※こちらは分かりやすく数値を記載しております。実際の証拠金維持率とは異なります。また証券会社によっても設定が異なるため、よくご確認ください。
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10万円しか預けていないのに、20万円のマイナスが出るのは、レバレッジという証拠金の数倍で取引できるシステムがあるからです。
FXの場合、証拠金の最大25倍分の取引ができ(2018年現在)、例えば10万円あれば250万円分の行えます。
追証の発生から解消までの流れ
- 相場が逆方向に進み含み損が出る
- 証拠金以上の損失が発生
- 強制決済(ロスカット)
- FX会社から連絡が来る
- 指定の口座に入金
- 口座の状態が正常に戻る
上記のような流れで、追証は発生します。例えば、株式の場合は15時が締めのタイミングです。15時にトレーダーの評価証拠金が決まり、その際に必要な維持率を下回っていると追証の入金が必要になるのです。
証券会社によって、委託保証金率の維持率が決まっており、その証拠金維持率を下回ると連絡が届きます。
国内大手のFX会社
■ DMM.com証券:「DMM FX」
■ SBIグループ:「SBI FXトレード」
■ GMOグループ:「GMOクリック証券」
FX取引のできる証券会社は、国内外に数多く存在します。それぞれのFX会社には特徴があり、準備できる資金やトレードのスタイルによって選択肢はさまざまです。
FXについて詳しく知りたいという方は、「FXの教科書」のような比較サイトで初心者向けに紹介されていますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
世界一わかりやすい「FXの教科書」
証拠金でも足りない場合は不足金の請求がある
基本的に追証が払えない場合は、強制決済が行われて、証拠金からお金が引かれます。しかし大きなチャートの変動により、ロスカットが間に合わなかった場合は、証拠金以上のマイナスが発生してしまうのです。
証拠金以上のマイナスになってしまった場合は、不足金として金融機関にお金を支払わなくてはなりません。
この支払いを無視すると、裁判所を通した一括請求が行われます。場合によっては財産の差し押さえもされてしまうので、必ず支払いを行いましょう。
例:楽天FX取引規定
お客様が債務を履行する場合、お客様が当社に差し入れた担保物がお客様の債務の全額に比して、不足しているときは、当社は、当社が適当と認める順序及び方法により当該債務へ充当することができるものとします。
追証が払えないで破産してしまうリスク
負債額が最終的にいくらになるのかわかりませんが、どうにもならない場合は自己破産の申請を裁判所に申立てすることができます。その際に着目するポイントが免責(支払い義務を免れること)はできるかどうかです。
裁判官にもよりますが、一般的にはレバレッジの高い投資については、ギャンブル盗用に免責事由にならない場合もあります。
そのまま、免責が認められなければ借金が残る ので、返済していかなくてはいけません。
また仮に自己破産をした場合は、それが信用情報に記録されてしまいます。いわゆる「ブラックリストに載る」と言われる状態です。
ブラックリストに載ってしまうと、問題が解決してから10年程度は解消されません。その間はクレジットカードやあらゆるローン商品、分割払いも利用できなくなります。
出典: JICC 指定信用情報機関 株式会社 日本信用情報機構「信用情報」とは、ローンやクレジットの利用などの信用取引に関する、過去から現在までの客観的な取引事実を表す情報です。
Q.FX会社へ連絡を入れれば何とかなるのでしょうか?
ファイナンシャルプランナー|隅倉広樹
猶予がない場合がほとんど
FXの追証は、登録時や取引時でも何度も自己責任の取引だと説明された上での要求です。従って特殊な理由がない限りは、支払い期限の猶予はないと考えた方が良いでしょう。しかし、払う姿勢を示すことも大切ですので、まずは自分から連絡をとることです。]
何としても支払い姿勢を見せ、可能な限り借りてでも支払うようにしなければ、強制決済後のほうが厳しい現実を見せられることになるでしょう。
追証を払えない場合の対処法
- ✓追証が発生!だけど手持ちの資金だけでは足りない
- ✓あと少しだけ工面出来れば解決できるけど、生活に支障が…
- ✓お金を用意したいけど時間が足りない…
追証が発生したら、マイナスが発生した取引をどうするのか考えてください。支払いが追証なのか不足金なのかによっても対応は異なってくるでしょう。
追証のためにお金が必要になった場合、自分の資産を売却して、資金を確保する必要があります。しかし売却できるのを待つ時間がないという方は、緊急的な措置を取る必要があるでしょう。
対処法1:今あるポジションを決済する
追証が払えない場合は、今あるポジションが強制決済されてしまいます。しかし、必ずしも追証を入金するのが得策とは限りません。
追証を入金しても、取引分がさらにマイナスになる可能性もあるのです。そうなってしまったら、入金した追証を含めて決済されてしまいます。
追証の通知がきたら、「入金をするのか、今あるポジションを決済するのか」、リスクも加味して十分に考えてください。
確かに、今あるポジションをマイナスのまま決済するのは悔しいと思いますが、結果的に安全なのであれば、検討してみてもよいでしょう。
対処法2:不用品を売ってお金にする
追証が払えない場合は、自宅にある不用品を売ってお金にするのも1つの手です。まずは、貴金属や電子機器など「高く売れるもの」がないか探してみましょう。
ネットでの売買だと追証の入金期限に間に合わない可能性があるので、実店舗型での不用品売買をおすすめします。ただし、中古品はブランド物でもない限り、なかなか高値で買い取ってもらうことはできません。
追証が少額であれば対応できますが、十分な資金にならないのであれば他の解決策を考える必要があります。強制決済が証拠金内で収まっている場合は、ポジションを決済することも検討しましょう。
対処法3:金融機関に連絡して分納をする
強制決済後の追証(不足金)は金融機関に支払わなくてはなりません。これが払えない場合は、金融機関へ連絡して相談をしてください。
相談をすると「資産はいくらか」「毎月の給料はいくらか」といった情報を聞かれます。話し合いの結果、場合によっては分割して支払うことが許されるケースがあるのです。
ただし支払うお金を分割してもらっているので、返済期日までにはきちんと支払ってください。滞納してしまうと一括請求や財産の差し押さえが起こる可能性も考えれます。
対処法4:専門機関に相談をする
強制決済後でも不足金があるのならば、お金を納めなくてはなりません。すぐに払えない場合は、相談をして分割で払う必要があります。
しかしそれも現実的に難しいという場合は、専門機関に相談してみましょう。
国民生活センター(消費生活センター)は、消費生活全般に対する苦情・問い合わせに担当者が対応してくれる公共機関です。様々な商品・サービスに関する相談にのってくれます。
中立な立場から適切な助言を無料で受けられるので、払えないと感じたら相談してみるのもありでしょう。
法律の専門家に相談するという選択肢もありますが、相談料を支払う必要があります。「一旦、専門家の意見が聞きたい」「弁護士に依頼するだけの費用が無い」といった方は、無料相談できる法テラスに連絡してみるのも良いでしょう。
対処法5:金融機関からお金を借りる
貯金を崩したり、ものを売ったりで資金を用意できるのならば、それに越したことはありません。しかしなかなか資金を用意するのは現実的に難しいという方もいるでしょう。「FXや株で負けて...。」と、相談するのも億劫ですよね。
そういった人は、金融機関から一時的にお金を借りて追証の支払いに充てる、といった選択肢にも着目してみてはいかがでしょうか。もし多少の金額で解決できるのであれば、役立つかもしれません。
利息は発生するが他人に迷惑がかからない
もちろん、金融機関からの借り入れ金は、金利をもとに算出される利息をプラスして返済する必要があります。
金融機関からの借入は自分の責任で行えるので、しっかりと返済していれば周囲に心配や迷惑をかける心配はありません。
カードローンの利用を検討してみては?
具体的な借入方法のひとつに、カードローンがあります。カードローンとは、ローン専用カードを利用してATMから現金を借入できる金融商品です。
ATMだけでなく振込によってお金を借りる方法も選べます。例えば銀行振込でお金を借りて、そのまま証券会社に支払うこともできます。
Q.FX取引は誰でもできるのでしょうか?
ファイナンシャルプランナー|隅倉広樹
口座開設できれば誰でもOK
基本的には、取引するための証券口座と元手となる資金さえあれば誰でもFXを始めることができます。本人確認や重要事項説明をクリアし、各証券会社の独自の審査基準をクリアすれば、即日からでも取引を始めることができます。審査基準が高い会社・低い会社がありますが、ほとんどが手軽に取引をスタートさせることが出来ます。