住宅ローンが払えないときのリスクと今月だけなんとか乗り切る3つの方法
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この記事はこんな人向け |
- 今月の住宅ローンが払えない…
- 払えないとどうなるの?
- どうにかして支払う方法はない?
今月の住宅ローンが払えない…そんなとき、どのように解決すればいいのか悩む人は少なくありません。
この記事では、住宅ローンが払えないとどうなってしまうのか、払えない時の対策法を解説していきます。今月の住宅ローンが払えずに悩んでいる人は、ぜひ目を通してみてください。
『どうしよう…今月住宅ローンが払えない…』
住宅ローンを組んだはいいものの、急な出費や状況の変化によっては支払いが負担になってしまう可能性があるでしょう。
住宅金融支援機構の調査によると住宅ローンの支払い期間は、平均25年強で、多くの人は26〜30年(※)といった長期間支払いをすることになります。
ローン契約以前の家賃がそのまま住宅ローン支払いになったと考えれば、決して支払えない金額ではないですが、出費はそれだけではありません。
公共料金や自動車費、育児にかかる費用といった支出の変動や、収入の変化によって支払いが難しくなることは十分に考えられます。
ケース1|転職やリストラで収入が減った
転職やリストラ、給与カットなどあらゆる理由で、住宅ローンが支払いができなくなってしまう場合があります。
生涯賃金が100%と保証されている企業はありません。何かのきっかけがあって、転職に踏み切ったり、突然のリストラや給与カットが訪れることもあるでしょう。
そうなれば、十分支払えると思ってシミュレーションをしていた住宅ローンでも、払えない場合があるのです。
ケース2|子供にかかる費用が予想以上だった
住宅ローンが払えない原因として、教育費や、育児にかかるお金が増加してしまうケースもあります。
住宅ローンを組んだ時、子どもは何歳だったでしょうか?また、子どもを出産する予定があったのかも重要です。
子どもにかかるお金について、きちんと考えていたつもりでも、習い事や受験、出産はその時になってみないと具体的な金額は予想できないこともあります。
文部科学省の学費調査によると、幼稚園・小学校・中学校・高校それぞれの卒業までに以下のような金額がかかります。
区分 | 公立 | 私立 | 公私比率 |
幼稚園 | 233,947円 | 482,392円 | 206.2% |
小学校 | 322,310円 | 1,528,237円 | 474.2% |
中学校 | 478,554円 | 1,326,933円 | 277.3% |
高等学校 | 450,862円 | 1,040,168円 | 230.7% |
あくまで対象とした一部学校の平均的なものですが、私立は公立よりも最大4.8倍もかかることがあるのです。絶対に公立にしか進学させない予定であれば問題ありませんが、子どもがどのような進路を希望するかは予想できません。
場合によっては子どもの学費が家計を圧迫してしまい、住宅ローンの支払いに支障をきたすことも考えられるでしょう。
ケース3|貯金で対応しきれない急な出費
一時的なものがほとんどですが、急な出費に見舞われて住宅ローンの返済が難しくなる場合があります。住宅ローンを圧迫するほどのものは限られているとはいえ、いくつか把握しておくことで備えることができるかもしれません。
一般的に高額といわれている結婚式のご祝儀は3万円程度ですが、家族全体の連名で出す場合は5万〜10万円前後を包む場合もあります。
✓自動車事故や故障での修理費用
内容や車種によりますが、板金で2万〜5万円ほどかかります。輸入車の場合はワイパーの交換でさえ、1万円程度かかることも考えられるでしょう。
✓家具家電の故障による買い替え
洗濯機の場合は6万〜10万円程度、冷蔵庫の場合は10万円以上と考えて良いでしょう。
いずれも貯金で対応するのが理想的ですが、定期預金を利用していたり投資信託として蓄えていたりする場合は、咄嗟に対応できないことも考えられるでしょう。
ファイナンシャルプランナー|森泰隆
予期せぬ収入減や支出増があった
住宅金融支援機構によると、2019年3月末で1カ月以上住宅ローンを延滞している人の割合は0.99%のようです。では、払えなくなる人の特徴は、大きく分けると3つあります。一つは、失業や病気により収入が下がってしまったケースです。二つ目は子どもの教育費がかかってしまい住宅ローンの返済に回せなくなったケース。3つ目は、そもそもが身の丈に合った生活が出来ていないケースで、いずれにしても無理のない返済計画が必要です。
ファイナンシャルプランナー|キムラミキ
長期的な視点で考えていないことが問題
一般的に、住宅ローンは35年という長期間に渡って返済を行います。その期間中、失業や転職による収入減、お子様の教育費などの大きな支出も考えられます。住宅ローンが払えなくなる人は、そのような長期的視点を持たずに住宅購入に踏み切ってしまったという特徴があると思います。途中で住宅ローンを払えなくなるという事態とならないためにも、長期的視点でライフプランを見通す姿勢を忘れないようにしましょう。
住宅ローンが払えない場合に生じるリスク
住宅ローンは、今月払えないからといって、すぐに自宅や給料が差し押さえられることはありません。
1回程度であれば融資をしている銀行も、一時的に口座にお金がなかったとして支払いのお願いといった、柔和な対応をしてくれるでしょう。
しかし住宅ローンが払えない状態が続くと、同じような対応をしてもらえるわけではありません。最終的には、任意売却もしくは競売のどちらかです。
また住宅ローンの支払いが滞るリスクは、最終的にマイホームを手放すことになるだけではありません。
Q.住宅ローンが払えない人が最も警戒すべきリスクは?
元 JA職員|小松千央
一括返済通知と信用情報への事故情報記載です
リスクは、「一括返済の通知を受け取ること」と、「信用情報に金融事故として記載されること」です。
夢のマイホームを建てる為に借り入れた住宅ローンですが、予定外のライフイベントが起こり、住宅ローンが生活を圧迫させることは少なくありません。
1か月目であれば残額をすべて払う請求は来ませんが、3か月以上延滞すれば、多くの場合は全額返済通知を受け取ることになります。
行政書士|岩井和幸
金利の安さだけで選ぶと失敗する
住宅ローンには、3つの金利タイプがあります。適用金利が変動する変動金利型、一定期間固定される固定期間選択型、そして金利が変わらない全期間固定金利型です。金利は変動金利型が一番低く、固定期間が長ければ長いほど高くなっていく仕組みです。特に変動金利型は当初の金利は低いのですが、その金利が将来にわたって保証されるものではなく、借入後に市中の金利が上がれば、適用金利も上がって、返済額が増えてしまうといったリスクが潜んでいます。
リスク1|信用情報のブラック化
住宅ローンが払えないリスクとして最初に考えられるのは、信用情報に傷がつくという点です。既に住宅という大きい買い物をしているので、そこまで大きなリスクではないと考えられます。
しかし5年~10年間クレジットカードやローンの審査に通らないと考えれば、深刻な問題と考えて良いでしょう。3ヶ月以上の滞納が続くとブラックとなり、今後あらゆるローンやクレジットカードの審査が通りづらくなります。
リスク2|保証会社への支払義務
住宅ローンが払えないリスクとして、代位弁済による保証会社への支払義務も挙げられます。
住宅ローンを借りる際、金融機関との契約とは別に、保証会社と保証委託契約を結びます。
この契約内容は、万が一住宅ローンが払えない状態になったときに、保証会社が金融機関に残金を一括で立て替えるというものです。
つまり、代位弁済がおこなわれたら、保証会社に返済をおこなわなければならないということになります。
保証会社は銀行とは異なるため、職場へ電話がかかってくるリスクを覚悟しておいてください。
Q.住宅ローンの代位弁済とはどんなもの?
ファイナンシャルプランナー|森泰隆
保証会社が債務者に代わって返済する
住宅ローンの返済が一定期間滞ると、金融機関は保証会社(保証協会)へ履行請求をします。そして、保証会社が債務者に代わって、金融機関へ住宅ローン全額とそれまでの利子の合計を一括返済します。これを代位弁済といいます。保証会社は引き続き債務の弁済を要求し、一括返済がされなければ競売に向けた手続きを開始します。
ファイナンシャルプランナー|水上克朗
保証会社が代わりに借金を返済する
長期にわたって住宅ローンの返済が滞ると、保証会社が債務者に代わって金融機関やローン会社に一括して借金の返済を行います。これを「代位弁済」といいます。なお、保証会社は代位弁済した金額と遅延損害金を債務者に請求します。代位弁済通知が送られていたにもかかわらず、返済ができないままになると、財産を差し押さえられたり、住宅を競売にかけられたりする可能性もあります。
リスク3|団体信用生命保険の解約
住宅ローンを組むときには、ほとんどの金融機関で団体信用生命保険への加入が条件となっています。
団体信用生命保険とは、契約者(支払い人)が死亡したり、病気・怪我などで働けなくなったりした場合、住宅ローンの残債がゼロになる仕組みです。
しかし滞納を続けて金融機関との契約が解約されて保証会社への支払い義務が生じると、同時に団体信用生命保険が解約されてしまいます。
なぜなら基本的に住宅ローン用団体信用生命保険における保険料の支払いは、毎月の住宅ローン返済額から充てられおり、金融機関との契約が解約が保険料の支払いが終了となるためです。
リスク4|ローン残金の一括請求
保証会社が代位弁済をすると、住宅ローン残金の一括請求がおこなわれます。この時点で契約者が住宅代を支払わなければならないのは、銀行といった金融機関から保証会社へ移行されるのです。
一括請求額の中にはローンの残債だけでなく、本来は払う必要がなかった遅延損害金も含まれます。
もし今月の住宅ローンも払えないという人が一括請求になった場合、とても払える状況ではないでしょう。
リスク5|住宅を競売にかけられる
住宅ローンが払えない場合、この競売が最も重大なリスクといえるでしょう。競売にかけられた住宅はネットに掲載され、最高値を出した方が落札し、所有権が移ります。
所有権の移った後は裁判所から引渡命令が行われ、1週間程度で確定するでしょう。応じない場合は1ヶ月以内に強制執行が行われ、否が応でも退去をしなければならないのです。
また競売で落札される金額は住宅ローンの残債よりも少額であることが多いため、競売にかけられて落札されたとしても、返済は続けなければなりません。
Q.どれくらい住宅ローンを滞納すると競売にかけられる?
元 JA職員|小松千央
おおよそ半年後には競売にかけられるでしょう
滞納期間が3か月以上になると全額請求されますが、この状態では支払えない可能性が非常に高いので、担保に預けているものを競売に出すことになります。
多くの場合は、ローンを組む際に担保に入れている「住宅」を競売に出します。手続きなどもあるので、金融機関が担保を競売にかけるのは延滞が始まっておおよそ半年経過した頃でしょう。
行政書士|岩井和幸
6ヶ月以上滞納するとで競売開始の可能性
住宅ローンを滞納し始めると、およそ1ヶ月から3ヶ月ぐらいの間には、債権者である銀行から様々な書類(催告書や督促状など)が届くことになります。さらに、期日までに支払わなければ、保証会社に保証金の支払を求めた旨の通知が届き、その後は銀行ではなく保証会社から返済を求められます。そして、それでも滞納し続けると保証会社は競売の申立てを行い、裁判所から競売開始の通知が届くことになります。
今月だけ住宅ローンが払えない人向けの解決策
ここから先の内容 |
- 住宅ローンが払えないのは今月だけ…
- 来月の給料が入れば立て直せるのに…
- なんとか今月の支払いを乗り切れれば…
住宅ローンが今月だけ払えない場合には、大きく分けると3つの対策方法があります。
たまたま今月払えない人や、仕事を退職してしまった、軽度の病気で入院の必要があったときなど、全てのケースに当てはめられる対策です。
解決策1|まずはローン会社に相談してください
どうしても今月のローン返済が間に合わないようなときは、まずローン会社(銀行)に電話して相談してください。
状況にもよりますが、柔軟な対応を望める可能性があります。
給料日等の変更が原因でお金を用意できないのであれば、返済日(引落し日)の延期を行ってもらえる可能性があります。
✓一時的な返済額の低減
返済額分の用意が困難である場合は、一時的に支払い金額そのものを少なくしてもらえる可能性があります。
解決策2|親や知り合いの援助も検討してみる
今月だけ住宅ローンが払えないのであれば、不足分を親族や知り合いから援助してもらう方法も、返済額や信用情報にも影響がでないので有効な解決策です。
今月だけなんとか援助してほしい旨をきちんと説明すれば、何かしらの形で助けてくれる可能性はあります。
もちろん、親や友人に返済していく必要はありますが、それでも住宅ローンを滞納してしまうリスクを考えれば、最良の手段です。
毎月のローン返済に困っている人向けの解決策
1ヶ月だけ住宅ローンの支払いが難しい場合と、毎月の住宅ローン負担が厳しいときの対処法は異なります。
現在の支出を見直して返済が厳しいと感じている場合、以下の3つの方法を検討してみてください。
解決策1|収入を増やす
住宅ローンがまったく支払えないわけではないけど負担に感じているのであれば、副収入もしくは家族の収入を頼ることで解決する可能性があります。
これまで共働きではなかったというのであれば、パートからはじめて少しだけ世帯年収を増やすという手段も有効です。
解決策2|支出のバランスを見直す
毎月1・2万円程度でも住宅ローンに充てられる金額が増えれば良いのであれば、現在の支出を見直すという方法もあります。
車費や外食費、娯楽費といった部分から削ってみると、意外と1・2万円程度なら家計に余裕が出ることもあるでしょう。
解決策3|任意売却で住宅ローンを清算する
任意売却をすることで競売を避けて、負担になっている住宅ローンを清算するという方法があります。
必ずしも残債のすべてが清算できるわけではありませんが、債権者(金融機関)の同意を得ることで差額分のさらなる分割払いができるかもしれません。
まずは金融機関へ相談して、適切な売却手続きを行えるようにしましょう。
Q.住宅ローンの任意売却とは?
ファイナンシャルプランナー|水上克朗
通常の不動産取引で売却
任意売却とは、裁判所が関与せず、民間業者が間に入って通常の不動産取引と同じ流れで住宅を売却し、住宅ローンの返済にあてる手続きです。競売よりも高額で住宅を処分できる可能性が高いため、住宅ローン残債務を減らせるケースが多くなっています。任意売却は競売を避けるための選択肢です。なお、あくまでも通常の不動産取引なので、外見的には住宅の買い替えで家を売るようなケースと見分けがつきません。
ファイナンシャルプランナー|森泰隆
一般的な不動産取引で売却
住宅ローンが返済できなくなった場合に、住宅ローン返済者と保証会社の合意のもと、一般的な不動産取引として売却することを任意売却といいます。一方で、裁判所に抵当権を設定した不動産の競売を申し立てて、債権の回収を図ることを強制執行と言います。競売の場合は、一般市場価格よりも低い価格になることが多く、任意売却の方が有利な価格で売却できる可能性があります。
ファイナンシャルプランナー|キムラミキ
競売で差し押さえられる前に売却
競売は、市場価格よりも低い金額となる可能性が高いです。競売による差し押さえが行われる前に、市場で住宅を売却できる場合があります。これが任意売却です。債権者である金融機関の合意が必要です。競売と比較すると、「高値売却」、「引越費用の捻出」、「引越日程の調整」などメリットもあります。もちろん住宅ローンを滞納しないことが、重要ですが、万一の事態に備えて知っておくとよいでしょう。
まとめ
住宅ローンが今月払えない場合に、実践するべき3つの解決法を紹介いたしました。
住宅ローンは長期に渡って返済するので、生活的な変化や仕事の変化、もしくは家庭の変化など、様々な問題が発生する場合もあるでしょう。
その際には、この記事で紹介した対処法を実践して、金銭問題の解決を図りましょう。
Q.住宅ローンが払えなくなる人の特徴は?
ファイナンシャルプランナー|水上克朗
予期しない収入減や支出増があった
住宅金融支援機構の公表データ(2018年度)によると、「リスク管理債権」(返済が滞っていたり、返済が破綻してしまっている貸出金)の割合は3.49%です。住宅ローンが払えなくなる人の特徴は、①収入減では、病気やケガによる失業、勤務先の業績不振・リストラ、定年退職によるものなど②支出増では、子どもの教育費の増加などです。よって、多少の想定外があっても返済できるローンを組むことが必要です。