
この記事のアドバイザ
目次
- この記事はこんな人におすすめ
- ✔ FX初心者向けの通貨ペアは?
- ✔ 通貨ペアごとの特徴は??
- ✔ レードスタイルに合わせて通貨ペアを選ぶとは?
ご存知の人も多いと思いますが、FXは異なる2つの国の通貨を売り買いして、その差額により利益を積み上げていく投資方法です。そして「どの通貨を選ぶか」は、言うまでもなく重要です。
通貨ペアの数は、FX会社により変わってきますが、それぞれには特徴があります。
これらの特徴を覚えてトレードをすると、FX全体の勝率にも大きく影響してきます。初心者のうちにしっかり覚えておきましょう!
FXの代表的な通貨ペア
FXでトレードをする時には、必ず通貨ペアを選ぶこととなります。この通貨ペアの組み合わせを選ぶことは非常に重要で、勝率に大きく影響してくることとなります。
初心者のうちは、どの通貨ペアを選べば良いか、解らなくて当たり前です。はじめに、FXの世界での代表的な通貨ペアの一覧を見ていきましょう。
通貨ペア一覧
英語表記 | 日本語表記 |
---|---|
USD/JPY | 米ドル/円 |
EUR/JPY | ユーロ/円 |
GBP/JPY | ポンド/円 |
AUD/JPY | 豪ドル/円 |
NZD/JPY | ニュージーランドドル/円 |
CAD/JPY | カナダドル/円 |
CHF/JPY | スイスフラン/円 |
TRY/JPY | トルコリラ/円 |
HKD/JPY | 香港ドル/円 |
ZAR/JPY | 南アランド/円 |
CNH/JPY | 人民元/円 |
MXN/JPY | メキシコペソ/円 |
EUR/USD | ユーロ/米ドル |
GBP/USD | 英ポンド/米ドル |
AUD/USD | 豪ドル/米ドル |
NZD/USD | ニュージーランドドル/米ドル |
EUR/GBP | ユーロ/ポンド |
EUR/AUD | ユーロ/豪ドル |
初心者におすすめの通貨ペア
では、具体的に初心者におすすめな通貨ペアについてです。結論から言って、もっともおすすめな通貨ペアは「米ドル/円」です。これには明確な理由が2つあります。
理由【1】世界における流通量が多い
ランキング | 通貨ペア | 取引量 | シェア |
---|---|---|---|
1 | ユーロ/米ドル | 1173 | 23.05% |
2 | 米ドル/円 | 902 | 17.72% |
3 | 英ポンド/米ドル | 470 | 9.24% |
4 | 豪ドル/米ドル | 266 | 5.24% |
5 | 米ドル/カナダドル | 218 | 4.29% |
6 | 米ドル/人民元 | 192 | 3.78% |
7 | 米ドル/スイスフラン | 180 | 3.54% |
8 | ユーロ/英ポンド | 100 | 1.96% |
9 | ユーロ/円 | 79 | 1.56% |
10 | 豪ドル/円 | 31 | 0.62% |
11 | カナダドル/円 | 7 | 0.13% |
12 | NZドル/円 | 5 | 0.10% |
13 | トルコリラ/円 | 3 | 0.07% |
14 | 南アランド/円 | 3 | 0.06% |
15 | その他通貨ペア | 1457 | 28.64% |
上記の表は、国際決済銀行(BIS)が、3年に1度発表している、世界の通貨ペアの取引量です。これを見て分かる通り、米ドルが絡む通貨の取引が、外国為替市場の大半を占めているのです。そして、その次がユーロという順になっています。
そして、私達にもっとも馴染みが深い通貨は、言うまでもなく日本円です。これにより、日本人がFXの通貨ペアを選ぶ時には、「米ドル/円」を選ぶ人がもっとも多いという結果になっているのです。
世界で取引されている通貨の種類と量

FX各社のスプレッドが安い
初心者に米ドル/円がおすすめな理由はもう1つあります。それが、FX各社が設定している「スプレッドの価格」です。
FXの世界では、世界各国の通貨を売買する際に、FX会社に支払う手数料のようなものが一定数必ず発生します。それがスプレッドです。これは、1回の取引をするごとに必ずかかります。
会社 | 米ドル/円 | ユーロ/円 | 豪ドル/円 | ユーロ/ドル |
---|---|---|---|---|
GMOクリック証券 ※原則固定(例外あり) |
0.2銭 | 0.5銭 | 0.7銭 | 0.4pips |
外貨ex byGMO ※原則固定(例外あり) |
0.2銭 | 0.5銭 | 0.6銭 | 0.4pips |
外為どっとコム ※原則固定(例外あり) |
0.2銭 | 0.5銭 | 0.7銭 | 0.4pips |
ヒロセ通商 LION FX ※原則固定(例外あり) |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.6銭 | 0.3pips |
DMM FX ※原則固定(例外あり) |
0.2銭 | 0.5銭 | 0.7銭 | 0.4pips |
セントラル短資FX |
0.1銭 | 0.4銭 | 0.4銭 | 0.3pips |
SBI FXトレード |
0.09銭 | 0.49銭 | 0.69銭 | 0.38pips |
JFX MATRIX TRADER ※原則固定(例外あり) |
0.3銭 | 0.5銭 | 0.7銭 | 0.4pips |
FXブロードネット ※原則固定(例外あり) |
0.2銭 | 0.5銭 | 0.6銭 | 0.3pips |
インヴァスト証券 |
0.3銭 | 0.5銭 | 0.6銭 | 0.3pips |
外為オンライン |
1.0銭 | 2.0銭 | 3.0銭 | 1.0pips |
日本のFX各社は、基本的に米ドル円のスプレッドを、他の通貨ペアに比べて安く設定しています。FX各社によって差はありますが、ほぼ全ての日本のFX会社が、米ドル円をもっとも安くしていると言って良いでしょう。
他の通貨ペアに比べて、取引のコストを削減することができるので、これが初心者に米ドル/円がおすすめである理由です。
慣れたら中級者~上級者向けの通貨ペアにも挑戦
紹介した通り、FX初心者であれば最初は米ドル/円からスタートしましょう。米ドル/円は取引量が多いこともあり、値動きの波はそこまで激しくない通貨ペアです。つまり、予測が立てやすく、大損する可能性は比較的低いということです。
しかし、FXにはたくさんの通貨ペアがあるのですから、慣れてきたら少しずつ他の通貨ペアの取引に挑戦してみるのも良いでしょう。
値動きの激しい通貨ペアは短期で利益が狙える
「ユーロ/円」や「ポンド/円」といった通貨は、米ドル/円に比べると値動きが少しだけ激しい通貨です。値動きが激しいということは、短時間で利益を狙えるということです。もちろん、逆に短時間で損をしてしまう可能性もあります。
仕事や家事が忙しくて、1日のうちであまりFX取引をする時間が作れない人は、短時間で利益を狙える通貨ペアも狙ってみましょう。
また、値動きの激しくなる時間は、各国の市場が開く時間によっても変わってきます。紹介した「ユーロ/円」「ポンド/円」といった通貨は、欧州の市場がオープンする時間に、大きく動く通貨です。以下の表も参考にしてみてください。


このように、世界の市場が開く時間は、時差によって異なります。銅葉が動きやすい時間と、そうでない時間も合わせて覚えておくといいでしょう。
17時前後に欧州の市場が開き、22時にはニューヨークの市場が開きます。つまり、ユーロや英ポンドは夕方に動きやすく、米ドルは夜に動きやすいのです。
中長期での運用を考えるならスワップポイントを重視

FXのトレードスタイルは、1つではありません。短時間で決済する取引を繰り返す派(スキャルピング)の人もいれば、中期~長期でポジションを所有する派(デイトレード・スイングトレード)もいるのです。
- スタイルに合わせたFX会社の選び方
■ 短期の売買を考えるならコスト面(スプレッド)重視
■ 中長期での保有を考えるならスワップ重視
■ どちらもやりたいなら総合力・利用者数で選ぶ
スワップポイントで選ぶなら
長期トレードをしたい人が注目すべきは「スワップポイント」です。これは、相場の値動きとは関係なく、「金利差」により所有しているだけで自動的に利益をもたらしてくれる仕組みのことを言います。
会社 | 米ドル/円 | 豪ドル/円 | 南アランド/円 | トルコリラ/円 |
---|---|---|---|---|
買 | 買 | 買 | 買 | |
GMOクリック証券 | 49円 | 18円 | 9円 | 29円 |
外貨ex byGMO | 49円 | 19円 | 10円 | |
外為どっとコム | 49円 | 19円 | 9円 | 33円 |
トレイダーズ証券 LIGHT FX | 50円 | 26円 | 15円 | 40円 |
ヒロセ通商 LION FX | 20円 | 20円 | 15円 | 41円 |
DMM FX | 46円 | 18円 | 10円 | |
セントラル短資FX | 20円 | 7円 | 6円 | 10円 |
SBI FXトレード | 57円 | 18円 | 12円 | 33円 |
トレイダーズ証券 みんなのFX | 65円 | 19円 | 12円 | 35円 |
外為オンライン | 45円 | 10円 | 10円 | 36円 |
上記のような通貨は、日本円を該当の国の通貨に変えて保有しているだけでスワップポイントを受け取る事ができます。1万通貨を持っていると、1日あたり上記の額をもらえます。
長期でのFX運用を考えているなら、スワップと為替差損の両方を考えて検討してみてください。
初心者はどのFX会社を選ぶべきか
取り扱っている通貨ペアの数は、FX会社によって変わります。しかし、初心者のうちにあまりマイナーな通貨ペアを取引するのはオススメできません。
なぜなら、マイナーな通貨ペアは取引に関しての情報が少なく、流通量が少ないので思うようなタイミングで取引できない事もあり、不安定な動きをすることも少なくありません。
なので、結論から言って初心者のうちは利用者数の多いFX会社を選んでおけば、通貨ペアに関してはほぼ不自由はしません。もしも該当のFX会社で取り扱っていない通貨ペアの取引をしたい時には、取り扱っているFX会社の口座を作れば良いのです。
グループ会社単位でもっともFX口座数が多いのは、「SBI FXトレード」などを手がけるSBIグループで、証券会社単位で見た時には「DMM.com証券」となっています。
国内最大の口座数を誇るSBIグループ
ネット銀行・投資・証券などの各種金融サービスを手がけるSBIグループという信頼感・安心感があるので、一言で言うなら「間違いのないFX会社」です。
業界最狭水準スプレッド・高水準スワップ・1通貨から取引可能な点など、選ばれる理由は数多くあります。また、チャート分析や取引データ・情報量の面でも申し分ないので、専業トレーダーからも多く選ばれています。
ドル円やユーロ円といった主に取引する通貨ペアに関して、スプレッドが他社に比べると非常に狭いので良い業者だと感じています。また、経済指標発表時のようなスプレッドが広がりやすいときでも、ここは安定しており売買しやすいと思います。
総合力の高いDMM.com証券
総合力の高いFX会社と言えば、DMM.com証券の提供する「DMM FX」は外せません。
業界最狭水準のスプレッドなので、コスト面でも申し分なし。取扱通貨ペアは充分すぎる「20」あるので、一通りの通貨ペアには対応しています。
クイック入金サービスという、提携金融機関から即時お金を振り込めるサービスもあり、使い勝手の良い会社と言えるでしょう。
取扱通貨ペア数で選ぶなら「ヒロセ通商」
国内FX会社の中で、通貨ペア数で選ぶとしたら、「ヒロセ通商 LION FX」は外せません。
米ドル円やユーロ円といったメジャーな通貨はもちろん、ポーランドズロチやノルウェークローネといった他社では扱っていないマイナーな通貨も数多く集まっています。金利の高い通貨も多く扱っているので、年単位での長期運用もおすすめです。
新規口座開設時には、最大50,000円のキャッシュバックが使えるので、合わせて活用しましょう。
ヒロセ通商 LION FX





スプレッド※原則固定(例外あり) | |||
---|---|---|---|
米ドル/円 | ユーロ/円 | 英ポンド/円 | 豪ドル/円 |
0.2銭 | 0.4銭 | 1.0銭 | 0.6銭 |
取引単価 | 通貨ペア数 | ||
1000通貨 | 50 |

証券アナリスト|山崎隆平
マイナーな通貨ペアは急変動リスクや情報量不足という弱点がある
マイナーな通貨は取引量が少なく流動性も高くはありません。特別な材料がなくても一部の顧客からの大口注文だけで価格が大きく変動する場合があります。また、市場参加者も多くないことから、主要通貨に比べ、材料が相場に織り込まれにくいです。
それゆえに、突然の大きな材料で価格が飛んでしまう可能性もあります。そしてなにより、発行国に関して手にできる情報量は多くなく、中々実態を把握しづらい側面もあります。マイナーな通貨を取引する際は、その国について常にアンテナを張り巡らせることが必要になります。また、不測の事態にそなえ証拠金維持率に余裕をもって取引をすることも大切です。
【まとめ】各通貨ペアの特徴を覚えて効率的なFXトレードを
ここまで紹介してきた通り、FXを始めたばかりの初心者であるならば、最初は米ドル/円から始めるのがおすすめです。そして、FXに慣れてきて自分のトレードスタイルが見えてきたら、それに合わせて色々な通貨ペアに挑戦してみてください。
まだFXの仕組みを解らないうちから、色々な通貨ペアに手を出すのは、あまりオススメできません。場合によっては、気付いたら大きな損を生んでしまうかもしれません。初心者のうちは、低リスクで安定的な運用ができるよう、心がけてみてください。
- この記事で紹介したFX会社
- ■SBIグループ「SBI FXトレード」
- ■DMM.com証券「DMM FX」
- ■JASDAQスタンダード上場 ヒロセ通商「LION FX」

証券アナリスト|山崎隆平
なるべく自分のメインで取引する通貨ペアを決めた方がいい
為替相場は、刻一刻と価格が変動します。また、マーケットに影響を与える材料やニュースに関しても常時発信されています。このような状況であまりにも多くの通貨ペアに手を出してしまうと、材料の見落としや読み間違いを起こしてしまう可能性が出てきます。なるべくメインとする通貨ペアを定め取引をしたほうが、より安定的に利益を上げることが可能になると思います。また、じっくりと少数の通貨ペアを取引することで、その通貨の時間帯のクセや、季節要因による動きも把握しやすくなります。相場では、器用貧乏であるよりも、その通貨のスペシャリストになるほうが勝率も上がるのではないでしょうか。
証券アナリスト|山崎隆平
初めてならば米ドル円やユーロ円からがおすすめ
おすすめをするひとつの理由として、市場の効率性が高いことが挙げられます。例えばある統計を取るとき、サンプルの数か多ければ多いほど正確な値が導き出せます。実はこれはマーケットにも当てはまります。市場の効率性とは、材料が瞬時に正しく価格に反映されるかどうかにあります。
米ドル円やユーロ円は莫大な金額と非常に多くの投資家が取引をする市場です。わりと小さな材料であっても早い段階でマーケットに織り込まれることが多いです。ですので、ある材料が出たからといっても、一気に価格が変動する可能性は低く比較的安定した動きになります。また、効率的な市場ではトレンドも比較的継続しやすいことからも取引がしやすいのではないでしょうか。