長く続く低金利の時代。住宅の購入、賃貸をこれからの時代の流れとともに考える

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長く続く低金利の時代。住宅の購入、賃貸をこれからの時代の流れとともに考える
この記事を執筆した専門家

ファイナンシャルプランナー

西川誠司

キャリアコンサルタント ファイナンシャルプランナー2級AFP認定住宅ローンアドバイザー 終活ライフケアプランナー
2001年にウェディングドレスサロンをオープンし、今年で20年。新郎新婦の接客をする中、結婚後の生活や子どもの教育費、これからの働き方、老後の心配など、将来の不安が多いことに気づき、ファイナンシャルプランナー、キャリアコンサルタントの国家資格を取り、これから家族を持つ方の相談にプロとしてかかわっていくようになりました。キャリアコンサルタントとして、40代からのセカンドライフ、公立の学校や専門学校の生徒に「人生100年時代、これからの時代の働き方」などのセミナーも開催しています。
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今の低金利は住宅ローンを組むには良いタイミング

低金利が続く時代。低金利と住宅ローンの関係

住宅ローンの金利はどのように決定されているのかといいますと、「住宅ローン変動金利型」は「短期プライムレート(短期金利)」に連動され、「住宅ローン10年以上固定金利期間選択型」は一般的に「10年物国債利回り」に代表される長期金利に連動する傾向にあります。

変動型金利は短期金利に連動するので金利が低く、長期固定型金利は長期金利に連動するので短期金利より金利が高くなります。

実際、銀行にお金を預けていてもお金は一向に増えないほど金利が低いことはよく知られています。普通預金の利息の金利は0.001%、1,000万円を預け入れしていても年に100円しか利子が付かない時代です。

住宅ローン変動金利は2009年から10年以上もの間、2.475%と低金利のまま変動なしが続いています。(※1)

参照:※1 住宅金融支援機構フラット35 「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)

住宅ローンの種類

住宅ローンにはどんな種類があるのでしょうか。
住宅ローンには「民間住宅ローン」「公的住宅ローン」「社内融資」の3つがあります。

今回はその中でも「民間住宅ローン」の金利タイプ

  • ①全期間固定金利型(フラット35)
  • ②変動金利型
  • ③固定金利期間選択型

    についてご説明いたします。

    ①全期間固定金利型(フラット35)

    全期間固定金利型とはローン期間中、返済終了までお借入金利、ご返済額が変わらないローンのことで、フラット35が有名です。

    全期間固定金利型はお申込み時点で返済終了までの毎月の返済金額が一定のため、子供の教育資金の準備や老後資金準備など計画的な貯蓄が必要な人にとっては、全期間返済金額が返済一定のため家計の見通しがつけやすく、将来の計画が立てやすいものとなっています。

    つまり、今後の市場金利の変動に左右されないということです。現在の低金利の場合、長期の住宅ローンにはかなり有効な金利タイプです。

    フラット35は繰り上げ返済の際の手数料もかからないというメリットもあります。またフラット35には一定期間金利を引き下げる制度があり、省エネルギー性・耐震性を備えた質の高い住宅の場合は当初10年間(もしくは5年間)借入金利より年0.25%引下げ制度のフラット35S、また、フラット35子育て支援型は当初5年間、年0.25%金利引下げの制度です。

    フラット35Sと子育て支援型は併用することも可能です。詳しくはフラット35ホームページをご確認ください。

    ②変動金利型

    変動金利型とは、借入期間中、半年ごとに金利が見直されるものをいいます。返済額は5年ごとに見直され、変動幅はそれまでの返済額の1.25倍までとされていることが多いです。

    現在の金利が高く、今後の金利が下降局面であると判断できる場合はメリットがあります。一方、将来金利が上昇すれば限度なく、支払金利も上昇するデメリットもあります。

    返済額がそれまでの1.25倍までと決まっているため、金利上昇率によっては利息のみの支払いで、元金が減らない場合もあります。
    現在の低金利の場合、長期の住宅ローンで使用するメリットはほとんどありません。

    借入額が少ない、返済期間が短い、将来金利が上昇しても返済ができる余裕があなどの条件がそろえば、変動金利型は有力な選択肢となります。

    ③固定金利期間選択型

    固定金利期間選択型は固定金利期間が終了後、金利が改定され、適用される金利しだいで返済額が変わります。

    この返済額の変動幅は、変動金利のように上限が設定されていないので、金利が大幅に上昇すればそれだけ毎月の返済額も大幅に増加してしまいます。

    現在の収入が少ないが、今後の収入の増加が見込めるなどの理由がない限り、現在の低金利ではお勧めできません。

    今の時代、これからの時代

    買うのか、借りるのか

    住宅を購入することは人生にとっても大きなイベントです。

    購入すれば家賃を払わなくて済む分、ローンの返済固定資産税火災保険、何年かに一度は修繕費もかかります。

    子どもの成長によって、必要な部屋数の増減もあります。コロナウイルスの影響でテレワークが予定よりも早く進み、住居の場所も今後、どのような場所に住めば最適かも分からない時期になりました

    では、購入にはどんなメリットデメリットがあるのでしょう。

    購入のメリット

    • 資産になる
    • ローンが終われば、老後の家賃が要らない
    • 現在金利が低いので、利息が少なくて済む(4500万円の借り入れ、35年固定金利で比較)※2020年7月フラット35で最も多い金利1.300%(融資率9割以下の場合)※2 下記図参照
    • 住宅ローン減税が受けられる
    • 団体信用生命保険の加入でローン契約者が死亡や高度障害などの場合住宅ローンが保険によって完済される

    購入のデメリット

    • ローンの支払いができなくなると、家を失うことがある
    • 転勤や働き方の変化に合わせて住まいを変えることができない
    • 生活スタイルを変えたくても、変えづらい
    • 住宅の価値が予想以上に下がる恐れがある
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    賃貸の場合は購入のメリットデメリットが逆になることが多いです。

    住宅を購入したメリットとして、「資産になる」とお伝えしましたが、住宅ローンをしている間は資産と同時に「負債」を抱えていることにも気を付けなければなりません。

    資産とは、土地と建物の合計の価値が負債額(住宅ローンの残高)よりも大きいときにプラスになります。

    購入金額が5,000万円の住宅は当然5,000万円の価値はありません。5,000万円には不動産会社の利益や保険、税金なども含めた金額です。購入した時点で値落ちが始まります。

    これからの時代の流れ、まずは、ライフプランを考える

    これから時代、住宅購入で気を付けなければならないことが今までとは少し変わってきています。

    金利が低い、資産になる、老後の住居費を無くしたいなどの希望だけでは決めることができない未知の時代になってきています。

    ではこれからの時代がどうなると予想されていて、その結果どのような影響があるのでしょうか?

    これからの時代の変化

    • テレワークが中心になる会社が増える
    • 終身雇用制、年功序列制の崩壊により、年収が安定しない
    • 人口の減少により、空き家が増える
    • 都市集中型により、都市は価格が高騰する

    ①テレワークが進めば、今欲しいエリアではなく、郊外でも仕事ができる可能性が高まります。仕事(ワーク)よりも生活(ライフ)を中心に住居を考えることができるようになります。

    ②終身雇用制が崩壊すると、同じ会社に一生働くことがほとんどなくなります。日本の働き方「メンバーシップ型雇用(人に仕事を充てる)」から、能力重視の「ジョブ型雇用(仕事に人を当てる)」に代わっていくと予想されます。必要な人だけが会社に所属する時代になります。年功序列制で年齢とともに給与が上がっていく仕組みはなくなっていきます。
    さらに副業や兼業をする人が増えます。

    ③人口減少によって、空き家が増えていきます。都心部以外の価格が下がる可能性が(賃貸物件も)あります。現在約1億2593万人(2020年6月)の人口が2048年(28年後)には9913万人(-21.3%)になる予測です。(※2)

    ④住みやすい、住みたい人が多い都心部の価格は人が集中するため価格は依然高いままです。

    これらの時代背景とこれからの時代の方向性を考えて、住宅の購入と賃貸を考えていかなければいけません。自分たちの今の仕事と生活スタイルが継続するのか、しないのか。
    時代が大きく変わる今、少し立ち止まって、考える必要があります。

    参照:※2 内閣府「人口・経済・地域社会の将来像 総人口」 

    まとめ

    大切なのは「住宅購入」を人生の「点」としてとらえるのではなく、人生そのものととらえたほうが良いということです。
    つまり購入して、返済しながら住み続ける、そしてどこかの時期には売却するということです

    そのような長いスパンで考えることは「これからの時代の方向性、世の中の流れ」も見ていかなければいけないことです。

    「ワークライフバランス」の必要性が叫ばれる今、フレキシブに活動、変化しなければならない時代に突入していきます。

    これからの自分たちの「住まい」の方向性に必要なことは、自分が家族がこれからの新しい時代にどう生きていきたいのか何を大切に守りたいのかなど「ライフデザイン」「ライフプラン」を家族みんなで話し合うことではないでしょうか

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