地方移住で生活費が安くなるって本当?地方の意外なコストと対策
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地方移住を決める前にコストを真剣に考える
リモートワークが急速に広がりを見せたこともあり、大都市から地方への移住に対する関心は高まっています。
また、ぼんやりと「老後は地方でのんびりしたい」と考えている人も多いかと思います。
地方は生活費が安いはずだと安易に移住してしまうと、意外と逆にコストがかかる部分もあります。しっかり情報と対応策を考えておかないと、移住しなければよかったということにもなりかねません。本当に移住すべきなのかを判断する材料として、いろいろな情報を知っていただければと思います。
家賃が安い恩恵を受けられるのは「元々家賃が高い人」
地方は大都市に比べて家賃が低いのは事実です。もちろん場所によりますが、同じような間取りの物件であれば半額で済むこともざらにあります。
ただし、この家賃格差は広い家や部屋ほど大きく、狭い家や部屋ではそこまでの格差がありません。
極端な話、東京で家賃4万円のワンルームに住んでいたとして、地方に行っても3万円くらいはかかります。1万円程度の節約になります。
もし東京で4LDK、家賃20万円の物件に住んでいた場合、地方へ行けば10万円くらいの物件は簡単に見つかります。10万円も節約できることになります。
もともと住居費が高い人、広い部屋で生活していた人ほど地方に移住したときの住居費が低くなるメリットが大きくなるのです。
単純に生活費が高いことがある
大都市では安く利用できたサービスがインフラがなく利用できなかったり、競争が激しくないため価格が高いことがあります。生活費が高くなる例を見ていきましょう。
食費が安くなるとは限らない
地方は物価が安いという漠然としたイメージを持つ人も多いかと思いますが、平均的に見てもそこまで大差ありません。
もし大きなスーパーマーケットがないほどの地方となると、食料品などはかえって高い場合もあります。また、沖縄のような離島の場合であれば野菜などは、やや高い傾向にあります。
例えば東京ではもやし200グラムが30円程度で売られていることが多いと思います。
私の住む沖縄では60~80円となっています。レタスやキャベツなども東京より沖縄の方が軒並み高くなっています。
移住を考える場合、移住先となる地域の物価はきちんと調べておくのが良いでしょう。ネットチラシなどがある場合は実際に行かなくても調べられることもあるので、比較してみてください。
また、地域の付き合いの中で、食料品はこのお店から、日用雑貨はこのお店からというのが決められてしまうこともありえます。その場合はかなり高く付くことを覚悟しなければいけません。
地方では自動車が必須になりがち
鉄道とバスが発達した大都市では自動車は必須ではなく、持っていない人も多いと思います。しかし地方では買い物に行くのも自動車がないとままならない場所も多いです。
新たに自動車を購入すればもちろんその購入費と維持費がかかります。もともと車を持っている人にとってはさほど問題にならず、駐車場代もかなり安くなりますのでメリットが大きいですが、夫婦で2台の車がないと不便ということも考えられますので、車がどの程度必要な地域なのかはよく考えた方が良いでしょう。
インターネットの費用が高い場合がある
地方では今まで使っていたWifiルーターが圏外となってしまい、高いものに買い換えないといけない場合や、マンションタイプの光回線がなく費用が高くなってしまう場合があります。
インターネットのために3,000円ほど出費が高くなるケースがあるので、通信事業者のサービス対象エリアなどをチェックして検討してみてください。
お酒を飲みに行く人にとっての交通費
居酒屋やスナックなどでお酒を飲む習慣がある人にとっては、大きな出費となるものがあります。それは、タクシー代や自家用車の運転代行にかかる費用です。
歩いて行ける範囲ならば良いのですが、少し遠くの場合はタクシーや運転代行を使う必要があります。その分、お酒を飲むことにかかるコストが高くなるので、お店でお酒を飲む習慣がある人は考慮しておきましょう。
プロパンガスの価格が高い傾向にある
地方では都市ガスがなくプロパンガスを使う場合が多く、もともと都市ガスを使っていた人にとってはガス代が高くなります。
また、田舎になればなるほどプロパンガスの会社が少なく、競争がないため高めになる傾向があります。そのため光熱費が思ったより高くなるので注意が必要です。
地域の慣習のため出費が増えることがある
大都市での生活ではあまり気にしない人が多いかと思いますが、田舎の人付き合いの中ではとてもお金がかかることがありますので、その例を挙げていきたいと思います。
町内会や自治会への入会が必須の場合がある
地方ではゴミ集積所の管理や浄化槽の管理、防災などを町内会や自治会が担っていることがあり、実質的に入会が必須となっている地域も多くあります。
会費は月数百円のところが多いですが、月3,000円などという地域もあります。地域のお祭りなどの行事にあてられることがあるようです。
地方では近所との人間関係はかなり大事になってきますから、町内会や自治会に入会しなければいけないのか、会費はいくらかということも調べておくと良いでしょう。
結婚式や葬式に頻繁に呼ばれることがある
地域それぞれ風習は違いますが、地域によっては結婚式に近所の人をみんな呼んだり、知り合いの親族が亡くなったときの葬式に行かなくてはならないといったことがあります。
頻繁に結婚式や葬式に参加することになれば、ご祝儀や香典の出費がかさむことになりますので、意外に出費が多くなってしまいますので注意が必要です。
新聞の購読が必須の場合がある
地域によっては地方紙の購読が必須となってしまう場合があります。これは大きな理由としては2つ考えられます。
1つは、新聞の「お悔やみ」欄を必ずチェックしなければいけない場合です。地域の人が亡くなった場合に、それを新聞に掲載することで知らせるようになっていて、それを見て知り合いやその親族が亡くなったときは葬儀に参加する、誰が喪中なのかを把握するといったことがあります。
2つ目は、地域の有力者が新聞販売に関わっている場合です。村長や自治会長の親族が新聞販売に携わっていて、購読するのが当たり前になっているという場合があります。
新聞を購読すれば毎月3,000円以上の出費になりますので、ばかになりません。
極力地域の店で買わなければいけない、という圧力
隣町の大型スーパーへ行けば安く買えるような食料品や日用品でも、地域の商店などで買うのが当たり前という地域があります。
極端なケースですが、大型スーパーや通販サイトで購入していたことが発覚したら責められたり村八分にされるといったこともあります。
そういった極端な地域は極力避けるべきかと思いますが、もしそんな地域に住んでしまえば生活費が高騰してしまうのは避けられないでしょう。
買い物以外でも、水回りの修理や、車の点検などを地域のお店に頼まないといけないということがありえますので、サービスにかかる費用が高くなることは考慮しなければなりません。
地域の行事への寄付や参加
その地域のお祭りや伝統行事で、住民からの寄付を集める場合があります。実質的に寄付が必須であることもありますし、地域での良好な人間関係のためには寄付をしたほうが良いこともありますのでこれも意外な出費となる場合があります。
神社への寄付や、施設を維持するための寄付といったものが慣習として多い地域もあります。
寄付金以外にも、行事の手伝いや物資の調達などをしなければならないこともありますので、その地域の慣習についてはぜひよく調べてみてください。
子どもに関する行事にかかる費用
地域によっては七五三や成人式などでは必ず晴れ着が必要だとか、着付けや髪結をお願いしなければいけないということがあります。
近所の人などに、この人にお願いしなさいと言われてしまったらそうするしかないということもあります。正直、そのときになってみないとわからないことではありますが、出費を覚悟しておくべきでしょう。
地方移住は、決める前に徹底した下調べを
ここまで地方に移住した場合にかかる以外なコストの例を見てきました。場合によってはかなり出費がかさんでしまうことがあることをご理解いただけたでしょうか?
生活費を安くする目的があって移住を考えるのであれば、よほどその地域にこだわりがあるのでなければ、生活費が安くなりそうな地域を選んで移住することです。そのためには徹底した下調べが欠かせません。
例えば「移住のお金.jp」をはじめとする地方移住に関連したサイトであれば、より詳しい内容について知ることができます。
可能であれば実際に現地を訪れてみるのも◎
あわせて可能であれば、実際に移住した人に聞いてみる、SNSや質問サイトなどを使ってその地域の住民に質問するといったことも必要なことかと思います。
また、実際に移住を決める前にその地域を訪れたときには、リアルな生活をイメージしながら見てみてください。現地の人と話ができるのであれば、その機会を大事にしてください。
ネガティブな側面ばかりを紹介してしまいましたが、もちろん地方に移住することで生活費も安く豊かな生活を手に入れた人もたくさんいますので、地方移住に興味を持ったならば、ぜひ前向きに検討してみてほしいと思います。