iDeCoを使って、老後資金2千万円を貯めよう!

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iDeCoを使って、老後資金2千万円を貯めよう!
この記事を執筆した専門家

ファイナンシャルプランナー

近藤英生

CFP 一級ファイナンシャルプランニング技能士 宅地建物取引士 行政書士 日商簿記2級
1956年千葉県に生まれる。1977年旧郵政省に入省、40年間勤務した後2017年ゆうちょ銀行を定年退職。30年間の個人投資家としての実績、20年間のファイナンシャルプランナーとしての知識を活かし、資産運用のアドバイザーとして生きることを決意する。2019年、「近藤ファイナンシャルサービス」を立ち上げ、資産運用・資産形成にかかる執筆・相談・講演を中心に活動中。
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この記事の目次

はじめまして、ファイナンシャルプランナーの近藤英生と申します。

金融庁の審議会が公表した、いわゆる「老後の不足資金2千万円」問題から、はや1年が経過いたしました。簡単に整理すると、

  • 国民年金・厚生年金等の公的年金だけで老後の生活費をまかなえる世帯は少ない
  • 足りない分は自助努力でまかなわざるをえない
  • その額は、夫婦二人のモデル世帯で、おおよそ2千万円となる

というものでした。このことが公表され、国民の間で大きな議論になりました。

「年金は100年安心と言ったのはウソだったのか?」「2千万円なんて持っていないし、これからも貯める自信がない」「2千万円貯めろと言われても、方法がわからない」等々、当然ですが、年齢や収入、資産によって捉え方は様々です。

ここでは、次代を担う日本の若い方々が、iDeCoを使って2千万円の資産を創ることができる具体的な方法について、述べてまいりたいと思います。

iDeCoは資産形成のための最強の武器である

まず簡単にiDeCoについて、ご説明いたします。

iDeCoとは厚生労働省が創った「個人型確定拠出年金(Individual Defind Contribution)」の略であり、公的年金で足らざる分を補うための「準公的年金制度」であります。詳細についてはiDeCoのホームページを参照していただくとして、この制度には次の三つのメリットがあります。

  1. ①拠出額が全額所得控除の対象となる
  2. ②配当金・譲渡益等に課税されない
  3. ③受け取り時、年金とみなされ、所得控除の対象となる

iDeCoの所得控除は、今世紀最大の社会的発明である

iDeCoの三つのメリット、その中でも最大のものは「所得控除」であります。「所得控除」とは、その年に拠出した額に対応する分の税金が戻ってくるという国の制度です。

生命保険料や損害保険料等のいわゆる年末調整、多額の医療費を払った方の医療費控除などがあります。

ところで、これらの制度とiDeCoの所得控除には決定的な相違点があります。それは前述の制度には拠出額の上限や下限があるのに対し、iDeCoのそれは拠出額全額が控除の対象となることです。

iDeCoの所得控除を使って、元本を3倍に増やそう!

モデルケース:
 年齢20歳
 職業フリーター(国民年金の第一号被保険者)
 年収200万円
 拠出額月1万円

  1. 毎月1万円=年12万円拠出することとなる
  2. 年収200万円の場合、課税所得は195万円以下となり、この場合、所得税率5%、住民税率10%(合計15%)となる
  3. 拠出額12万円 × 15% = 1万8千円が戻ってくる

戻ってきたお金を翌年の拠出額に加算する

12万円 + 1.8万円 = 13.8万円
2年目の拠出額 × 15% = 2万7百円(2年目に戻ってくるお金)

このようにして、毎年毎年拠出額を増やしてゆくことにより、14年目の拠出額は約74万円となります(第一フェーズ 1~14年目)。

15年目以降もこの方法を実践してゆきたいのですが、残念ながら1号被保険者の拠出上限額(81万6千円)を超えてしまうため、この年から再び年12万円から拠出することとします(第二フェーズ 15~28年目)。

29年目から第三フェーズに入り、59歳(現在の法廷上限年齢)まで12年間(29~40年目)拠出いたします。

40年間で資産が(約)3倍に増える!

この間の自助努力による拠出額 = 12 × 40 = 480万円
所得控除により戻ってきた額を加えた合計額 = 1320万円(約2.7倍)

いかがでしょうか?

iDeCoという国の制度を利用するだけで、毎年15%のお金が戻ってくるのです。これっていいかえれば年利15%の金融商品を利用しているのと同じですよね。

ほぼゼロ金利のこの時代に15%という破格の金利を、しかも国が提供してくれるのです。そして、その結果元本は3倍近くまで増えるのです。

世界に投資することにより、2千万円の資産を築こう

自己拠出額及び税還付額で、約1320万円にまでなることがお判りになったと思います。ところでこの額は1%も利息や利回りを計算しておりません。

少子高齢化で人口が減りつつある日本に対し、世界の人口は今世紀半ばには100億人に達するであろうと推計されています。人が増えることにより消費が増え、結果、世界経済は順調に発展すると思われます。そのような時、年5%の成長・利回りは決して大げさな数字ではありません。

40年間の拠出額の平均額を、利回り5%で複利運用すると = 約1824万円となり、2千万円にはやや足りません。しかしながら、

  1. 加入可能年齢は、2022年から64歳まで伸びる、すなわち加入可能年数も45年に伸びる。
  2. 年収及び拠出額が変わらないという前提のもとであり、このモデルケースの方の年収や拠出額が増えれば、当然合計額も増える。

結果、2千万円を超えることは決して実現不可能な数字ではありません。

コロナの先には明るい未来がある

コロナショックで全世界が暗く沈んでいる今日だからこそ、次代を担う若い方々におかれましては、iDeCoという国が創った素晴らしい制度を使い、自分のため、日本のために、世界に投資していただきたいと心から願うものです。

また、「貯金だけでは不足する?老後に向け投資を検討すべき理由と、おすすめの投資方法 │ CrowdRealty」ではiDeCo以外にも老後資金を作る方法が紹介されていますので、よろしければご参考ください。

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