損害賠償の決まり方と払えない場合のリスクや対処法を専門家が解説
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ファイナンシャルプランナー
P技能士2級を保有する、不動産仲介・管理業務を中心としたライフプラン設計・資産運用のプロ。その他、宅地建物取引士・管理業務主任者・損害保険募集人といった多数の資格を保有し、ファイナンスに関する幅広い知識でお客様をサポート。
損害賠償とは
何らかのトラブルによって訴訟を起こされた場合、裁判所から損害賠償の支払いを命じられるケースがあります。
例えば、離婚の際に相手から請求される慰謝料も、損害賠償の一種です。
要するに、損害賠償とは「特定の行為によって他社に何らかの損害を与えた際、その賠償として支払う必要があるお金」を指します。(参考:朝日中央綜合法律事務所『損害賠償の種類とその違い』)
損害賠償の主な種類
損害賠償と言っても、発生原因によってその種類が分かれてきます。
主な損害賠償の種類は、以下の通りです。
債務不履行に基づく損害賠償とは、契約等に基づく債務を履行しなかったこと(債務不履行)により生じた損害の賠償を指します。
✓不法行為に基づくもの
不法行為に基づく損害賠償とは、加害者が被害者の権利を違法に侵害したことにより生じた損害の賠償を指します。
いずれも法的な罰則として課せられるものであり、請求された場合は必ず支払いを行わなくてはなりません。
損害賠償が発生するトラブルの例
では、損害賠償請求はどういったトラブルが原因で行われるのでしょうか?
例えば、以下のような原因が考えられます。
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身近なものとしては、離婚時や交通事故によって請求される損害賠償がイメージしやすいのではないでしょうか?
この記事をご覧になっている方の中にも、上記のようなトラブルによって損害賠償を請求されている方がいるかもしれません。
損害賠償の金額はどのように決まるのか
損害賠償の請求額は、個人が言い値で決めるわけではありません。一般的に、以下のような流れで請求額が決まります。
- トラブル発生
- 訴訟を起こされる
- 裁判
- 損害賠償額が決定
裁判によって最終的に決定した損害賠償の請求額は、原則的に変わることがありません。不用意に支払いを怠ると、一定のリスクを招きます。
損害賠償が払えないリスク
損害賠償の金額は、罪状(トラブルの内容)によって差があります。場合によっては、数百万円以上の請求を言い渡されることもあるでしょう。
加害者の金銭的な事情もある程度は加味されて決定するようですが、人によっては簡単に払えないこともあるかもしれません。
しかし、払えないからといって請求を無視し続けることは、相応のリスクがあります。
家族や会社に知られる可能性
損害賠償の責任は、トラブルを起こした当人のみに支払い義務が生じます。当事者が未成年の場合や、業務中の社用車での事故などの場合は、親や会社も責任が生じるケースがありますが、基本的には当事者のみが支払い義務を負うこととなります。
ただし、損害賠償の請求をいつまでも無視し続けていると、郵送物や電話連絡などが来るようになるので、家族や周囲の人に知られる可能性は高くなります。
家族や周囲の人に知られると、信頼を大きく損なってしまうこととなります。
支払いを無視していると強制執行が行われる可能性も
裁判というものは日常的におこなわれており、多くの人が損害賠償の請求をしたりされたりしています。
中には、支払い義務を放棄して踏み倒そうとする人もいるようです。しかし、損害賠償は被害者に対する償いであり、未払いが生じた場合は適切な対応が取られる仕組みとなっています。
場合によっては、強制執行という措置が取られ、損害賠償請求額の回収が行われるのです。
いわゆる「差押え」というもので、主に以下3つの方法で強制執行が行われます。
所有している不動産が差押えられ、競売にかけられ損害賠償額に充てられる。
✓債務執行
所有している債権が差押えられ、第三者から回収したお金が損害賠償に充てられる。
✓動産執行
家財道具・貴金属・商品等の動産が差押えられ、それらを売却して得られたお金が損害賠償に充てられる。
損害賠償が払えない場合の対処法
お金が無くて払えないからと、請求された損害賠償を無視し続けるわけにはいきません。万が一強制執行を受けてしまうと、手放さなくても良かったはずの財産を失いかねません。
もちろん、その請求から逃げ切ることは考えないでおきましょう。この点については、専門家は以下のようにコメントしています。
対処法1:法律の専門家に相談
まずは、弁護士のような法律の専門家に相談してみましょう。損害賠償は法的な罰則なので、法律の専門家に適切な対処を相談することは、最初に取るべき行動と言えるかもしれません。
もちろん、損害賠償そのものが免除されることはないでしょう。しかし、相手方と話をつけたうえで、無理のない支払いができるよう調節してくれる可能性もあります。
ただし、弁護士に相談するためには、基本的に相談料という報酬を支払わなくてはなりません。金銭的に余裕が無い場合は、まずは無料で相談できる法テラスを試してみてはいかがでしょうか?
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対処法2:家族や友人に相談する
損害賠償の問題を解決するには、最終的にはお金を用意しなくてはなりません。例えば、両親・兄弟・友人といった、身近な人に相談してみるという選択肢もあるでしょう。
必ずしも助けてもらえるわけではありませんが、一時的にお金を借してもらえるかもしれません。もちろん、借りたお金は必ず返す必要がありますし、身近な人にお金の相談をする際は人間関係に悪影響が及ぼされる可能性もあるので、十分に配慮が必要です。
むしろ、黙ったままで放置していても、請求や通達などでいつかは家族や周囲に知られてしまう可能性もあるので、解決するなら早い方がいいでしょう。
対処法3:自動車等の財産をお金に換える
強制執行となれば様々な財産が差し押さえの対象となりますが、その前に自身で「財産をお金に換えて損害賠償に充てる」という手段もあります。
例えば、自動車があるなら、それを下取りしてもらい、まとまったお金を用意することができるかもしれません。もちろん、生活に支障が出るほど身を削るというのはリスクがありますが、無くても困らないというものは、ある程度は手放すことを検討してみてください。
もちろん、この方法でも十分なお金を用意できる保証はありません。また、手放したものを取り戻すことは難しいケースがあるので、その点も十分に考慮しておきましょう。
対処法4:お金を借りる
知り合いに相談したり、何らかの財産をお金に換えることで問題解決できるなら、それに越したことはないでしょう。それでも十分なお金を用意できなかった場合は、金融機関からお金を借りるという選択肢にも目を向けてみてください。
金融機関からお金を借りる場合、必ず「金利に応じて決まる利息」を上乗せして返済しなくてはなりません。
当然ながら、その分だけ金銭的な負担そのものは増えてしまいます。
しかし、金融機関からの借入は「個人の責任」でできます。しっかりと返済できるなら、家族や知り合いに迷惑をかけずに損害賠償の問題を解決できるでしょう。
具体的な借入方法のひとつに、カードローンがあります。カードローンとは、借入金の用途が自由であり、限度額の範囲内ならコンビニATM等で何度でも借入できるローン商品です。
カードローンの利用にあたって、保証人の用意や印鑑・通帳の提出は必要ありません。つまり、お金を借りることそのものも、周囲に伝える必要がないのです。
カードローンの返済方法は、一般的にリボ払いが適用されます。リボ払いとは、利用額に応じて決まった一定の返済額を、数ヶ月に渡って少しずつ支払っていくシステムです。
損害賠償の請求は、一般的には一括で行われるケースが多くなっています。金額によっては、とても1ヶ月以内に用意できないこともあるでしょう。
「全くお金が無いわけではないし、支払う気もあるが、一括は難しい」という場合も、カードローンを利用すれば、支払いそのもんは一括で行えるので、目の前の問題をスムーズに解決できるかもしれません。
例えば、審査が早いカードローンの利用を検討してみてください。特に、最短30分で審査結果がでるカードローンを選べば、今日中にお金の用意ができるようになるでしょう。
ただし、希望額によっては「収入証明書の用意」を求められることがあります。提出は申込後にできますが、出来るだけ早めに給与明細等の用意をしておきましょう。
損害賠償が払えない場合によくある質問
まとめ
損害賠償というものは、法的に支払いを命じられるもので、決して義務を放棄することはできません。
万が一未払いを続けると、最終的に強制執行が行われ、財産を差し押さえられることもあります。
そうならないためにも、どうしても払えない状況にある場合、まずは適切な相手に相談してみてください。そのうえで、どのようにお金を用意するのかを検討しておきましょう。
ファイナンシャルプランナー|隅倉広樹
損害賠償請求から逃げ切ることは原則不可能
損害賠償請求は、被害者やその家族等の為に、裁判所から支払いを命ぜられるものです。払わなければ被害者はもとより、請求される側の人の社会的な信用も無くなっていきます。支払い能力の有無にかかわらず、財産や給与口座の差し押さえもあります。逃げる事より、双方合意の上での分割支払い等、解決の道を探るようにしましょう。