資金繰りがショートしたとき・しそうなとき経営者がすべきこと
- ✓資金繰りがショートしてしまった原因
- ✓経営者が会社のために資金を調達する方法
- ✓資金が用意できたときに経営者がすべきこと
資金繰りのショートはさまざまなシチュエーションで起き、よほど企業体力に優れた大企業でもなければ、いつ起きてもおかしくないでしょう。
そんなときに会社の経営者があたふたと困っていては、どうしようもありません。
経営者ができる解決方法と、とるべき手段を紹介します。
資金繰りがショートするとどうなる?
資金繰りがショートしてしまうと、最悪の場合は倒産してしまいます。実際は利益が出ていても倒産する、黒字倒産というものを起こすのです。
流入している現金よりも支払いに使われる現金の方が多い状態を指し、卓上の数字では問題なく黒字のまま倒産してしまうため、黒字倒産と呼びます。
なにかしらの前兆は必ずあるのですが、積極的に投資をしすぎてしまう経営者に多く見られる傾向です。
資金繰りがショートする3つの原因
資金繰りがショートしてしまう原因は、決してひとつだけではありませんし。また責任の所在がどこにあるか、ということも特定するのは難しいでしょう。
とはいえいずれにしても、支出とスケジュールのバランスがとれていない状態は、あまり健全な経営とはいえません。
ですが多く見られる原因は、以下の3つです。
一時的な支払いの集中
積極的に設備投資をしている経営者に見られるタイプです。基本的に会社の動産や設備は減価償却のため少しずつ計上されますが、実際には大きく現金を失っています。
となると設備投資をした月の特定の時期に、一気に支払いが重なって、手持ちの現金が底を尽きる可能性があるのです。
期待していた収入がなくなった
期待の度合いにもよりますが、「確実に入るはずだった売り上げが先方の都合で先送りになった」という場合はこちらに責任はありません。
しかし「きっと売り上げが伸びてお金が入る」などという期待では、どうしようもありません。
いずれにせよ現実的には現金が尽きてしまっている状況なので、資金繰りのショートには変わりありません。
売り上げの回収と現金化が間に合わない
ベンチャー企業やスタートアップ企業といった、立ち上がったばかりの勢いがある企業に多く見られます。
たとえば納期には間に合っても、現金の支払いをしてもらえる数週間の時間差によって、資金繰りのショートが起きるのです。
どちらかといえば、支出とスケジュールの調整が下手だったことが原因なので、こちら側に責任があるかもしれません。
可能な資金調達方法
ショートが起きてしまった原因の追求をする前に、まずは倒産を防ぐために資金を調達しなければなりません。
現金を調達する方法は多岐にわたるのですが、シチュエーションによって適切なものとそうではないものがあります。
以下を確認しながら、自社にとってベストな選択をしましょう。
銀行融資を受ける
会社を運営するにあたって、最も一般的な資金調達方といえます。そもそも銀行の本業はお金を貸すことなので、当然考えられる手段かもしれません。
ただし銀行から事業性資金の融資を受けるためには、事業費の見積もりや帳簿の提出など、非常に手間と時間がかかります。
また「資金繰りがショートしたので、一時的にお金を貸して欲しい」という理由で、銀行からお金を借りるのは非常に難しいでしょう。
出資者から出資してもらう
もしも出資者を見つけることができたら、あるいは出資者がもういるのだとすれば、そこから現金調達が可能かもしれません。
出資してもらいたい経緯の説明は、銀行よりもはるかにしやすい場合があります。もしくは身内の可能性もあるので、ある程度は感情を汲み取ってくれるでしょう。
頼れる出資者がいるのであれば、出資を募るのもひとつの手でしょう。
会社の不動産・動産を売却する
会社の資産[人・金・物]のうち、物を売って現金を作る手段です。
とはいえ売ることができるのは、仕事をするうえで必要のない物に限られています。
不要な物があればこの機会に手放すことをおすすめしますが、該当する会社は限られるでしょう。
可能な限り経費を削減する
経費を削減するため真っ先に思いつく手段といえば、役員報酬の削減ではないでしょうか。
その他にも会社内での消耗品や、公共料金のこまめな節約が可能ですが、いずれにしても現金が浮き上がるまでは時間がかかります。
期末や月末であれば効果的な可能性があるので、可能な限り節約を試みてください。
ビジネスローンを使う
銀行や信用金庫などとは違う形態の金融機関です。たとえば消費者金融大手のアイフルが提供している、ビジネス向けのローンサービスがあります。
出典: AGビジネスサポートビジネスローンコラム|ビジネスローンとは?ビジネスローンとは、銀行や消費者金融など民間の金融機関が取り扱う、事業者専用のローン商品です。資金使途としては、事業投資・運転資金・取引先への支払いなど、事業に関わる資金であれば何にでも利用できます。
どうしても一般的な融資よりも高金利になってしまいますが、資金繰りがショートしてしまっている状況なら、もっとも相性がいいかもしれません。
審査のスピードは消費者金融のノウハウを活かして、最短で翌日に融資を受けることが可能です。
とはいえビジネスローンの利用は、今回のような万が一のときに限定しないと、また資金繰りが苦しくなる場合があります。
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資金調達ができたら優先してすべきこと
もしもお金ができたとしても、調達した資金の使い方を間違えれば、状況は変わらずに倒産してしまいます。
調達できた金額や支払いを十分に考慮して、顧問税理士やコンサルタントと相談しながら、堅実な選択をとってください。
後回しにしてもなんとかなる支払いや、絶対に遅滞させるわけにはいかない支払いなどを分けて、適切な支払いをしましょう。
ショートしたときの適切な相談先
資金繰りがショートしたときに、経営者だけで悩まず、一度専門家に相談してみましょう。
状況を打開するアドバイスをもらえるかもしれませんし、より解決に近づけてくれる専門家を紹介してくれるかもしれません。
誰に相談して良いかわからない場合、まずは以下の人に頼ってみてはいかがでしょうか。
まずは顧問税理士に相談
なにはともあれ、二人三脚で会社の数字を見ている顧問税理士に相談してください。
お金のプロであり会社経理の専門家ですので、経営者がひとりで悩むよりも解決に近いのは間違いありません。
あるいはより適切な相談相手を紹介してくれる、ということも考えられるでしょう。
行政書士・中小企業診断士に相談
書類代行やコンサルタントをしている行政書士・中小企業診断士に相談しても、あまり意味は感じられないかもしれません。
しかし彼らは行政の行っている、あらゆる事を把握しています。たとえば自治体の制度融資や、相談先を知っているのです。
それに意外かもしれませんが、行政書士は日本政策金融公庫(国金)の専門家でもあります。中小企業の資金調達における、強いパートナーとなることでしょう。
取引銀行に相談
もしも銀行に対する返済の段階でショートしてしまったのであれば、まずは銀行に直接相談してみましょう。
支払いの予定の組み直しをしてもらえたり、銀行目線の無駄を見つけてアドバイスをもらえたりするかもしれません。
Q.企業が資金ショートしたときの、FPに相談はできる?

ファイナンシャルプランナー|小川和哉
資金ショート後にFPができることはありません
資金繰りに対し、FPが直接サポートできることはありません。顧問FPは月々の帳簿の確認や経営者との情報交換の中で、資金繰りがショートしないようにその都度アドバイスをしていくのが役目です。万が一突発的な理由で資金繰りが悪化した場合は、できる対処を全て行い、それでも改善しない場合はファクタリングや事業再生を検討します。その際にも、会社側が不利にならないよう経営者に寄り添ってアドバイスをします。
場合によってはビジネスローン
例えば、銀行融資を申し込んだが審査が通らなかったという状況にある事業者もいらっしゃることでしょう。
そういった場合は、ビジネスローンに着目してみるのも良いでしょう。
もちろん、ビジネスローンでも厳正な審査が行われていますが、その基準は銀行と異なっているので、融資を受けられる可能性はあります。
法人の方は、算書2期分の提出が必要となります。
個人事業主でご利用限度額300万円超の場合、所得証明資料の提出が必要となります。
まとめ:まずは資金繰りの立て直しをしましょう
資金繰りのショートは、決して珍しいことではありません。積極的で前のめりな経営をしている以上は、少しだけ気を緩めただけでもショートが起きます。
さまざまな解決法の中でも、もっとも即効性のあるビジネスローンを紹介していますが、適切な方法はひとつではありません。
周囲の専門家とともに、健全な資金繰りへ向けて立て直しを図りましょう。
Q.資金ショートを防ぐための国からの補助金や助成金などの制度はある?
ファイナンシャルプランナー|小川和哉
倒産対策としての補助金や助成金はありません
補助金や助成金は企業が成長するための支出を援助してくれるものと考えてください。資金繰りが苦しくなりそうだと判明したら、支出のリスケジュールを行う、金融機関や日本政策金融公庫に運転資金の融資を申し込む、経営者が資金を補填する、などを検討する必要があります。それでも足りない場合は株式を発行する、ソーシャルレンディングを利用するなど、外部からの資金調達を検討しなければなりません。