ゆうちょ銀行ローンの全貌!郵便局でお金を借りる際の気をつけるポイント
貸金業務取扱主任者
地方銀行に8年勤務し、住宅ローン・カードローン・フリーローンなど個人ローンの他、事業性融資・創業融資など幅広い業務を担当。貸金業務取扱主任者の資格を有する、100件あまりのフリーローン、住宅ローン数十件、その他に投資信託・個人年金・国債販売も取り扱った金融商品のプロ。
『今月は出費が多くて金欠状態…。』
『今月の給料と一緒に入ったら大きな買い物をしたい。』
近くの郵便局でお金を借りれたら…思ったことはありませんか?
そんな方のために、ゆうちょローンについて紹介します!
ゆうちょ銀行は全国47都道府県全てに店舗(支店・出張所)があります。この規模を誇るのは、メガバンクである「みずほ銀行」と「ゆうちょ銀行」のみです。
身近な存在ですので、正しい知識を覚えておいてください。
そもそも郵便局でお金を借りれるのか?
結論から言うと、郵便局でお金を借りることは可能です。正確にいうと、貯金窓口がある郵便局だと借入を行えます。もちろん、ゆうちょ銀行の店舗でも借入ができます。
具体的な手段は、有担保ローン商品の利用です。
ゆうちょのローンにはデメリットとして担保が必要
有担保ローンである以上、ゆうちょのローンには何らかの担保を用意しなくてはなりません。
担保が必要になると若干ハードルが高くなりますが、難しく考える必要はないでしょう。担保として利用できるのは、「貯金」か「国債」のどちらかです。
定期預金の貯金を担保に借入
ゆうちょ銀行で定期貯金を行っている人は、普通口座の残高がゼロになったとしても、定期預金の90%まで借りることができます。
ただし、限度額は最高300万円までで、借入期間は最長で2年間。要するに、334万円の貯金額がある方は定期預金を担保に300万円借りることができるのです。しかも、金利は0.25%と低いので、貯金は最高の担保となっています。
国債を担保に借入
ゆうちょ銀行で販売している国債を担保にしてお金を借りることができます。借入金額は、国債×80%までとなっています。
ただし、限度額は定期預金よりも100万円低く、最高200万円までです。借入期間は最長1年と、定期預金の担保と比較すると若干劣ります。ちなみに、金利は1.70%となっています。
担保なし・保証人なしで借りるには?
担保なしでゆうちょ銀行からお金を借りることはできません。ゆうちょ銀行は、無担保での貸付を行っていないのです。
そのため、郵便局でお金を借りようとしてもすぐにお金を借りることはできません。
2019年には無担保での貸付を行うかも
2017年3月に発表された内容です。ゆうちょ銀行は現在無担保で貸付を行っていないので、2019年を目処に開始すると金融庁に申請しています。
ゆうちょ銀行はスルガ銀行のカードローンを代行販売している
厳密にいうとゆうちょ銀行はカードローン事業を行っていませんが、スルガ銀行のカードローンの代行販売はしています。販売代行しているカードローンの名称は「したく」です。
ゆうちょカードローンの「したく」とは?

「したく」の基本情報 | |
貸付条件 | お申し込み時の年齢が満20歳以上満70歳以下で、安定した収入のある方 |
金利 | 年7.0%〜14.9% |
限度額 | 10万円〜500万円 |
遅延損害金 | 年19.5% |
無担保で借りれるゆうちょのローンは先程も伝えたとおり、スルガ銀行のカードローンになっています。つまり、スルガ銀行が実質的にお金を貸しているだけであって、ゆうちょ銀行がお金を貸しているわけでは無いのです。
スルガ銀行の行政処分の影響で新規受付ストップ
こちらのサービスは、すでに利用している方へのサービス提供は継続しているものの、2018年10月31日時点での新規申し込み受付は終了していますのでご注意ください。
ゆうちょローンの新規受付がストップしているので、他の銀行カードローンを紹介したいと思います。知名度が高く利用している人もいるのではないでしょうか。
もし、口座を持っているのであればご利用ください。
金融機関 | 金利 | 限度額 | - |
みずほ銀行 | 年2.0%~14.0% | 最大800万円 | 公式ページ |
三井住友銀行 | 年1.5%~14.5% | 10万~800万円 | 公式ページ |
三菱UFJ銀行 | 年1.8%~14.6% | 最大500万円 | 公式ページ |
楽天銀行 | 年1.9~14.5% | 最大800万円 | 公式ページ |
参考情報
ゆうちょローンにはデメリットも
もちろん、ゆうちょのローンには良い面があれば悪い面もあります。
特にゆうちょ銀行のローンは、他のサービスと比較すると注意すべき点が目立つので、デメリットや不便な点を加味した上で最適な借入先を選んでみてください。
手続きが非常に面倒
ゆうちょのカードローン手続きには、非常に手間がかかります。通常のカードローンと比較すると、審査通過後に申込用紙を送付しなければいけないという行程が発生するのです。
一般的なカードローン | ゆうちょのカードローン | |
申し込み | 申し込み | |
インターネット申し込み or 無人機申込(インターネット申し込み:24時間、無人機(平日・土日):8:00~22:00) | インターネット申し込み or 店頭申し込み or 電話申し込み(インターネット申し込み:24時間、店頭(平日):9:00~17:00 、電話(平日):9:00~19:00) | |
審査 | 審査 | |
審査後に携帯電話、メールまたは郵送にて審査結果の連絡。 | 仮審査後、電話または郵送にて審査結果の連絡。 | |
カード発行orカード受取り | 申込書を提出 | |
審査結果後に無人機にてカード発行、その後コンビニ等でキャッシング。※ネットキャッシングの場合はカードレス | 必要書類を添えて郵送で提出。(本人確認書類・所得証明書等)※審査通過した方のみ | |
カード受取 | ||
カードを郵送にて受取り。カード到着後、電話連絡を入れカードキャッシングが可能。 |
※店舗により営業時間は異なります。
休日だと申し込みしたとしても、平日に審査など行われます。カード発行までに時間がかかる上に、申し込み用紙を郵送するとなると"手間"と"時間"がかかってしまいます。融通も利かないので若干不便と感じるかもしれません。
審査に時間がかかり即日融資は不可能
銀行カードローンは申し込んだ当日に即日融資を行うことは不可能です。
2018年1月から、銀行は暴力団にお金を貸さないように警視庁のデーターベースを見て、申込者が暴力団いわゆるヤクザではないかを確認するようになりました。
そのため、審査には時間がかかり、当日のキャッシングは行えなくなったのです。
Q.なぜ銀行カードローンで即日融資はできないのか

貸金業務取扱主任者|手塚大輔
警察庁のデータへ照会が必要だから
銀行は暴力団構成員などの反社会的勢力に融資をしてはいけません。
そのため、銀行は融資の前に、融資を実行しようとしている顧客が反社会的勢力に該当する人間でないかどうかの確認を行わなければなりません。
この確認のために警察庁のデータベースにアクセスする必要があり、この確認には1日程度の時間がかかります。
そのため、銀行は即日融資が不可能になっています。
土日に申し込んでも対応されない
土曜・日曜日に申し込みをしようと思っても、郵便局・ゆうちょ銀行は休みなので手続きに時間がかかってしまいます。Webから申込みをした場合も同様です。
電話で申し込もうとしても、土日は対応してくれません。
審査の仕組みにも要注意
ゆうちょ銀行カードローンの場合はスルガ銀行のカードローンになると言いましたが、審査を行うのは保証会社になります。
どこのカードローンもそうですが、保証会社がカードローンの審査を行い、借したお金を返済してくれそうなのかを判断します。
様々な保証会社がありますが、独自の審査基準があるのです。
ゆうちょローンの審査はSDP株式会社が行う
ゆうちょ銀行のカードローンの審査を行うのは、スルガ銀行グループの「SDP株式会社」が行います。
Q.なぜ銀行カードローンの審査を保証会社が行うのか

貸金業務取扱主任者|手塚大輔
保証がないと融資をしないから
保証会社は、もしも融資金の返済が焦げ付いた時に銀行の融資残高を顧客に代わって返済してくれます。
このため、保証会社の保証さえつけば銀行のリスクはゼロになり、保証会社の審査に通過できれば銀行はほぼ確実に融資を実行し、保証会社の保証がつかなければ銀行は絶対に融資を行いません。
銀行カードローンの審査の基準は「保証会社がつくかつかないか」だけですので、銀行カードローンの審査は実質的に保証会社が行うのです。
銀行は雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す
ドラマ半沢直樹に「銀行は雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す」という名言があります。「雨の日」は「資金繰りが厳しい場合」、「晴れの日」は「資金繰りが平気な場合」、「傘」は「お金」という意味です。
要するに、銀行は、資金繰りが危険な人は踏み倒しのリスクがあるために、不用意にお金を貸さないようにしているのです。
通常のカードローンは信販系か消費者金融系が保証会社
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いわゆるメガバンクと言われる企業ですら、消費者金融系や信販系に審査を委託するのです。なぜなら、カードローンの審査についてのノウハウは、銀行よりも消費者金融系や信販系の企業の方が多く持っているからです。
ちなみに、仮に借りた人がお金を返せなくなると、保証会社が借りた人の代わりに代金を支払います。
申込者が少ないと審査は難しい
何事もそうですが、ノウハウを持っているということは大事になります。申込客が多くノウハウがしっかりしていると、顧客データが充実しているため審査もスムーズかつスピーディーに行えるものです。
しかし、申込者が少ないと顧客データが充実していないため、審査通過できる人の幅も狭くなる可能性があるのです。
そのため、豊富な申込者がいる保証会社と比較すると審査基準は難しいのではないかと考えられます。
手間と審査に時間がかかってもいいなら
手間と審査に時間をかける余裕がある人だったら、ゆうちょ銀行のカードローンはオススメです。また、定期預金・国債などがゆうちょ銀行にあるなら、「したく」を利用しないで担保型のローンを選んだ方がいいです。
ゆうちょ銀行に担保というような物がなく、「今日中に借りたい」・「ちょっと審査が不安」という気持ちがあるなら他のカードローンを選んだ方がいいでしょう。
今日中にお金が必要なら?
すぐにお金が必要なら審査が早いカードローンがオススメです。
特に、最短30分で審査の結果がわかるカードローンを選べば、よほど遅い時間に申込まない限り当日中の借入ができます。
Q.即日融資可能と宣伝している消費者金融は安全か?

貸金業務取扱主任者|手塚大輔
金融庁登録なら安全です
即日融資をうたっているローン会社には、合法的な業者と、違法な業者つまり闇金の2つの可能性があります。
合法的な業者であれば取引を行っても全く問題ありません。
金融庁登録の合法業者は金融庁に監督されているため法律を遵守しているためです。
しかし、闇金は金利や督促などで全く法律を守らないため絶対に取引をしてはいけません。
取引の前に必ず金融庁へ登録している安全な業者であるかの確認を怠らないようにしましょう。
審査が最短30分のプロミス
プロミスは独自の審査基準で審査時間が最短30分になります。また、30日間の無利息期間サービスを実施しています。
プロミス
24時間365日いつでもお申込み可能です。
公式サイトからお申込みいただいた場合、早ければ1時間後に借り入れ可能となります。
審査が少し不安だと思ったら
「自分でも審査に通るだろうか」という不安が大きい方は、成約率に着目してカードローンを選んでください。
成約率とは、「申し込みを行って実際に借り入れできるようになった人の割合」です。一般的に、この割合が高いカードローンの方が利用者が多い傾向にあります。
利用者が多いということは便利で早い
利用者数が多いカードローンは、それだけ多くの顧客データを持っています。そして、審査はその顧客データをもとに行われるもの。
つまり、利用者数が多く顧客データが充実しているカードローンは、必然的にスピーディーな審査ができるようになっているのです。急ぎでお金が必要な状況であれば、これは非常に重要なポイントとなります。
注意点:銀行は即日の融資は不可能
一方で、銀行カードローンはどれだけ利用者数が多くとも即日対応してくれません。前述の通り審査が複雑なので、どう頑張っても翌日以降しか手続きが完了しないのです。
緊急でお金が必要な状況では、成約率が高く便利なカードローンを選ぶ方が賢い選択と言えるでしょう。
49.1%の成約率:三菱UFJフィナンシャル・グループのアコム
大手カードローンのアコムは、高い成約率を維持しています。審査は最短30分で終わり、ネットから申し込めば来店不要という手軽さもあって、全国トップクラスの人気を誇っています。
実際の利用者数は延べ1,000万人超えです。日本の人口が約1億人なので、10人に1人は利用しているということになります。
急いでいるから手間も時間もかけたくない。そんな方はぜひアコムの利用を検討してください。
アコム
今日・明日中にでもお金が必要な方におすすめです。
借入が初めての方でも安心してご利用いただけます。
ゆうちょローンについてのまとめ
郵便局でお金を借りるなら担保のあるローンが断然オススメです。低金利での借入を行えるし、手続きも申請のみなので簡単です。
もし、ゆうちょ銀行に担保がなければ、ゆうちょのローンよりも大手のカードローン会社を選んだ方が便利だと思うので検討してみてください。
Q.担保とはどういったものか?
貸金業務取扱主任者|手塚大輔
返済ができない場合に取られてしまう
担保とは、現金で返済できない場合に、返済金の代わりになる資産のことです。
不動産を担保に入れて、返済ができない場合には不動産が取られますし、定期預金を担保に入れて返済ができない場合には定期預金が取られてしまいます。
不動産の価格は変動しますが、定期預金はダイレクトに返済にあてることができるため、最も有力な担保で、預金を担保に入れればブラックの人でも確実に融資を受けることができます。