ローンが組めない人が審査落ちする4つの理由と対処法
貸金業務取扱主任者
地方銀行に8年勤務し、住宅ローン・カードローン・フリーローンなど個人ローンの他、事業性融資・創業融資など幅広い業務を担当。貸金業務取扱主任者の資格を有する、100件あまりのフリーローン、住宅ローン数十件、その他に投資信託・個人年金・国債販売も取り扱った金融商品のプロ。
この記事の目次
- ✓ローンが組めなかった…
- ✓審査落ちの理由が分からない…
- ✓お金が必要なのにどうしよう…
まとまったお金がないときにローンを組もうと考えることは誰にでもありますが、中には審査落ちして組めなかった人もいます。
ローンが組めない原因を記事内で確認し、あなたの抱える「お金の悩み」を早期解決していきましょう!
一括払いが難しいのにローンが組めない…
各種ローンは、現金での一括払いが困難時に役立つサービスですが、申込者によっては組むことができない場合もあります。
ローンを組むには金融機関や保証会社の厳正な審査を受ける必要があり、状況によって審査落ちしてしまう可能性は誰にでもあるのです。
しかし、審査落ちしてしまった方の多くは、ローンが組めなかった理由が分からないままになっているのではないでしょうか?
ローンが組めなかった理由が分からなければ、対処のしようもありませんよね。
ローンの種類によって審査の難易度は変わる
ローンと一口に言っても、申込者の利用目的によって適切な申し込み先は変わってきます。金融機関やローンの種類によって審査の難易度は異なり、金利が低く借入金額が大きくなるほど、ローンを組むのは難しくなると考えておきましょう。
例えば、金利10.0%以下で数千万円以上の借入が基本となる住宅ローンでは、一般的に組めるローンの中でも最難関といっていいでしょう。

貸金業務取扱主任者|林良光
貸し手は回収可能性で金利を設定する
銀行や消費者金融など融資を主なビジネスとする企業が融資の金利を設定する際に考慮する主な要素の一つが、回収可能性です。
仮に全ての借入人が確実に返済をしてくれるのであれば、金融業者は調達コスト(=銀行の場合は預金金利、消費者金融の場合は銀行等からの借入金利)と人件費や事務所賃料などの経費の合計額を利息が上回るように金利を設定すれば利益が出ます。
一方、全ての借入人が全額を確実に返済することは現実ではありえないため、各申込者からの回収可能性(=「リスク」と言います)に応じた金利を設定することになります。
つまり、金利の低いローンの審査に通るのは、金融業者が「回収可能性が高い」と判断した人に限られるため、低金利ほど審査のハードルが高くなる仕組みです。
あなたがローンを組めなかった4つの理由
ローンが組めなかった人はまず、「どうしてローンが組めなかったんだろう」と疑問に思うでしょう。
残念ながら、どんな金融機関であっても、審査の通過基準は公開されていません。そのため、ローンを組めなかった理由についても、教えてくれることはないのです。
しかし、過去にローンが組めなかった人の統計や傾向によって、審査に落ちる理由は大きく3つに絞り込めます。
ローンが組めない理由1:虚偽の申し込みをした
ローンに申し込む際、意図的に嘘の個人情報を記入した場合は、残念ながら審査を通過できません。
例えば、どうしてもローンを組みたいからと言って、年収200万円なのに300万円と明らかな虚偽を行った場合、確実に審査落ちするでしょう。
悪質な虚偽行為だった場合は、審査落ちだけでなく今後ローンを組めなくなる可能性もあるので注意してください。
ローンが組めない理由2:収入が安定していない
どんな種類のローンでも、審査においては収入の安定性が確認されます。
具体的には、単純な年収額の多さではなく、勤続年数や雇用形態といった「収入が途切れるリスクの有無」が重視されるのです。
たとえば、勤続年数が極端に短かったり、いつ解雇や契約停止になってもおかしくなかったりする状況では、残念ながらローンは組めないでしょう。
ローンが組めない理由3:他社からの借入が多い
現状の他社から借入している金額や件数も、ローンが組めない理由になり得ます。たとえばカードローンや、クレジットカードでのキャッシングが多いと、返済の余裕が無くなっていると判断され審査に通らない可能性があるのです。
これは件数・金額いずれかに問題がある時点で審査に影響し、正確な件数は分かりませんが、借入先があまりにも多すぎるとローンは組めません。
カードローンやクレジットカードのキャッシングにおいては、利用額と借入件数どちらが増えても返済負担が大きくなるので、両方注意しておきましょう。
ローンが組めない理由4:信用情報に問題がある
金融機関や保証会社がローンの審査を行うとき、CICやJICCなどの個人信用情報機関に対して、申込者の情報を照会します。
これらは信用情報と呼ばれており、要するにこれまでのクレジットやローンの利用・返済の履歴が確認されるのです。
出典: JICC 指定信用情報機関 株式会社 日本信用情報機構「信用情報」とは、ローンやクレジットの利用などの信用取引に関する、過去から現在までの客観的な取引事実を表す情報です。
信用情報には過去5年間の記録が保管されていて、長期延滞や強制解約といった金融事故の履歴がある場合、残念ながらローンは組めません。
ローンが組めなかった人は信用情報を開示
どうしてもお金が必要なのにローンが組めない…そんな人は、自分で信用情報をチェックしてみるのをおすすめします。
信用情報機関は3つあるので、確認先を以下で選びましょう。
信販会社での金融取引状況を確認できます。
✓日本信用情報機構(JICC)
消費者金融での金融取引状況を確認できます。
✓全国銀行個人信用情報センター(全銀協)
銀行での金融取引状況を確認できます。
上記の通り、取り扱う金融商品によって信用情報機関を選び、情報開示を申請するようにしましょう。
情報開示は原則インターネット上で可能
最近は最寄りの信用情報機関へ出向く必要はなく、お手持ちのスマホや自宅のPCからでも情報開示できるようになっています。
公式サイトにアクセスし、情報開示を申請すれば、PDFファイルとしてDL可能です。全国銀行個人信用情報センターだけは、郵送による情報開示となっているのでご注意ください。
1回の情報開示には1,000円程度の手数料が発生するので、こちらも用意しておくようにしましょう。
ローンが組める人になるためのポイント
1度審査に落ちたからといって、いつまでもローンが組めないわけではありません。
ただし、時間が経てば良いというわけではなく、最低限「ローンを組むための対策」はとっておくべきでしょう。
どうしても欲しいものがある、ローンが組めないと困るといった方は、以下3つのポイントを押さえておいてください。
ポイント1|少しでも借入件数や借入額を減らす
借入件数・金額が理由でローンが組めないのであれば、単純にそれらを減らすことでローンが組める可能性が出てきます。
おまとめローン等を利用して、利息負担を減らしつつ返済するのも効果的でしょう。
無理のない範囲で、毎月コツコツと返済していいくのが大切です。計画性を持って、返済に専念してください。
ポイント2|大型ローン希望ならクレヒス修行
今後、住宅ローンや自動車ローンなどの大型ローンを組む予定があるのなら、クレジットカードやローンを使ってクレヒス(クレジットヒストリー)を磨くのも選択肢のひとつです。
過去に長期滞納や強制解約といった金融事故がなく、きちんと利用・返済していけば審査ではプラス要素となります。
お手持ちのクレジットカードやカードローンがあれば、1年以上の良好な利用実績を作っていきましょう。
ローン保証会社の役割は審査と債権担保
保証会社はカードローン、家賃、携帯電話の分割払い、ショッピングローンなど様々なシーンで保証を行っています。利用者の保証ができるかどうか、保証会社では審査を実施しています。
審査に通った場合は保証が受けられますが、審査に落ちてしまった場合は保証が受けられません。利用したくてもできないため、保証会社による審査には注意して下さい。
保証会社は審査を代行している
保証料を貰い、審査を代行しているのが保証会社です。
例えば家電量販店でショッピングローンを利用する場合、家電量販店が審査を行うのではなく保証会社が行っているのです。
銀行のローンでは保証会社と銀行と両方で審査を行っていますが、その多くを保証会社が担当しています。保証会社の審査に落ちると、ローンの利用はできません。
保証会社は債権の担保をしている
なぜ保証会社が審査を代行するのか、それは保証会社の利害が理由となっています。有担保ローンの場合は利用者が返済できなくなっても担保の差し押さえができます。保証人ありのローンでは保証人に請求が行えます。
しかしカードローンなど保証会社が審査する殆どで担保や保証人なしとなっており、担保の差し押さえや保証人への請求ができないのです。銀行ローンの返済が困難となり、長期滞納すると代位弁済が実行される事があります。
保証会社が債権の担保を行っており、利用者に代わって銀行に弁済を行います。これを代位弁済と言いますが、全額回収できない事があるため、リスク回避のために厳正な審査を行っています。
ローンが組めなかったけどお金は必要…そんな人は!
- ✓ローンが組めない理由は分かった
- ✓でも、やっぱりお金が必要…
- ✓少額でもいいので借入できない?
審査落ちしてローンが組めない人の中には、どうしてもまとまったお金が必要なケースも考えられます。
少額でもいいからローンを組めれば…そんな人は、他の選択肢にも目を向けてみましょう。
カードローンに申し込むのも選択肢のひとつ
各種ローンが利用できなかった方は、カードローンという選択肢も検討してみてはいかがでしょうか?
例えば、ショッピングローンを組みたかったけれど審査落ちしてしまった…そんな状況でも、用途自由のカードローンを使えばすぐに対処できます。
借入専用のカードを発行すれば、専用ATMや提携先のコンビニATMから現金をキャッシング可能です。
消費者金融のカードローンに目を向けてみる
カードローンを検討する際は、大手消費者金融の商品にも目を向けてみてください。
もちろん、消費者金融も厳正な審査を行っているので、必ずしもお金を借りられるわけではありません。
しかし、銀行や消費者金融、信販会社などでは審査の仕組みが違うため、異なる結果がでる可能性は十分にあるのです。
大手消費者金融は成約率を公開しています
大手消費者金融の中には、投資家向けのIR情報として成約率を公開しているものがあります。
たとえば、TVCMでもおなじみのプロミスが公表している情報は以下の通りです。
確かに審査落ちしている人もいますが、沢山の方がお金を借りられているのも事実。改めて申し込み先を選ぶ際は、こういった点も参考にしてみましょう。
【注意】対応可能なのは年収の1/3まで
個人融資向けのカードローンは、総量規制の対象になります。
総量規制とは
総量規制とは個人の借入総額が、原則、年収等の3分の1までに制限される仕組みを言います。総量規制の対象となる「個人向け貸付け」とは、個人がお金を借り入れる行為のことです。
ただし、個人が事業用資金として借入れる場合は、原則として総量規制の対象とはなりません。
つまり、あまりにも高額な借入でなければカードローンを利用できる可能性は少なからず残っている、ということです。
最短即日融資してもらえる
ちなみに、大手消費者金融の審査は最短30分で完了するため、即日融資してもらえるメリットもあります。
また、手続きにあたっては特定の銀行口座を開設する必要も無いので、手続きも非常にシンプルです。
- 公式サイトから申し込み
- 必要書類を提出
- 最短30分のスピード審査
- 契約完了
- 自動契約機でカード発行
- 近くのATMでキャッシング
できれば今日・明日中にお金を用意したい、そういった状況でも、大手消費者金融なら大きな助けになってくれるでしょう。
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ローンが組めないことに関する質問
まとめ
高額な支払いが必要な時に頼れる各種ローンも、審査を通過できなければ組めません。
ローンの種類によって審査難易度は変わりますが、どのような借入サービスにせよ、審査は厳正に行われています。
ローンが組めなかった人は、審査落ちした理由や対処法を確認して今後のために行動していきましょう。
Q.なぜ低金利な分だけ審査のハードルが高くなる?
貸金業務取扱主任者|手塚大輔
貸し倒れのリスクを防ぐためです
例として、金融機関が100人に100万円を1年間貸した場合を考えてみましょう。金利18%では利息収入で1,800万円が見込めますので、100人のうち18人が貸し倒れても、融資総額の1億円は回収できます。しかし、金利10%の場合では利息収入が1,000万円なので、100人中10人以上が貸し倒れてしまうとローン会社には損失が発生してしまうのです。このような貸し倒れのリスクを防ぐため、低金利なローンの審査が厳しくなるのは必然と言ってもいいでしょう。